明けました。 | 剣町柳一郎の本棚

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明けました。白い正月を迎えました。
大晦日は「ゆく年くる年」を見ることなく、
高倉健映画特集を翌朝まで見てしまいました。
「居酒屋兆治」原作山口瞳。セリフのはしはしに哀感と
男の生き様が見受けられ、大原麗子が好演。
函館を舞台に、居酒屋に現れる中年男のドラマを展開。
高倉健ならではの、渋く耐える男の演技をみせてくれた。
「野生の証明」は原作森村誠一で、自衛隊の特殊工作隊と
地方の権力者にむかう男のストーリー。国家権力と
社会悪に反抗する男の意気が感じられた。
原作のテーマが大きいだけに大味であったが、
深層心理が話を深くさせている。このあたりで、
もう4時近かった。ばさりと音を立てて、朝刊が届く。
そして、待ちに待った「昭和残侠伝・唐獅子牡丹」。
侠客の花田秀次郎を演じる高倉健は当時三十五、六歳。
匕首を懐にした池辺良と雪の降る夜を相合傘で、
不義理な男に立ち向かうのである。昭和初期の時代の
においを漂わせ、唐草模様の風呂敷に包んだ日本刀を手に。
男が生きるには、義が、矜持がいるってことを痛切に
感じさせた任侠映画。封切りの昭和四十年代、
オールナイトで見た高揚感がよみがえる。
「紅白歌合戦」でサプライズがあり、矢沢永吉が出てきて
歌ったように、本物の「歌」を聞くような感があった。
眠りについたのは、朝六時であった。
こうして、平成二十五年元旦を迎えてしまった。
今年、皆様にいい年でありますように
ご多幸をお祈り申し上げます。