創作碗を見る | 剣町柳一郎の本棚

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近くに住むIさんが、ご自宅で「おわん展」を開いた。
本職は建築設計のお仕事をやられてきた方で、
陶芸をはじめて、もう四十年は経つとのこと。
現在、八十三歳。ご夫婦揃って、
美しく、年齢を重ねてこられたようだ。
出不精のわたしであるが、
家人とぶらりと見に出かけた。
ずらり並んだ二百もの抹茶碗。ひとつひとつが
手造りだけあって味わいがある。色も土も違う。
意匠を頭に描き、どんな表情の碗に仕上るか、
創作する本人にもわからない面白さ。
趣味とはいえ、好きなことを続けてきた、
そのエネルギーに驚かされる。
「碗は使って愉しんでください」と注文された。
碗には、お茶だけでなく、
ご飯、蕎麦を盛ってもよしということだ。
むろん、我が家には茶釜はない。
ので、食卓で使わせていただくつもり。
光りがあふれるリビングでしばしお話を聞く。
いい時間だなあ、心が横になっていく。
木米の小壷、岩駒の屏風も見せていただく。
眼福のひと時。庭の笹藪、芝生に秋の陽ざしが降り注ぐ。

さて、今夜はダンクを連れ出して、
月明かりの中を少し歩いてみようかな。
寒さもなんのその。
もう虫の音はしないが、落葉の囁きに耳を傾けよう。

自分で碗銘を付けてみた。左が「天下一」、右が「脱一」。
いかがなものだろう。
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