わたしが小さい頃 お爺様に聞かされてたおはなしがある。わたしのピンチに青銅の鎧をまとった騎士が現れ 私を救ってくれると。
幼少の頃 公園で油絵を描いている時。
”安心して絵が描けました。” ”風が気持ち良い。” 可愛い麻のエプロンをしている。
ちゅっ。”まぁリスだわっ。” ”えっ。騎士が近くにいるの。本当にぃ。
時代が闇に染まり 世界が暗黒に呑み込まれる頃 闇の魔物が再び現れました。
彼らは時代のカタストロフ。
突如普通の人間が魔物に変わる。
事件が多発っ。
”今日もパチンコ負けだぁ。このスーパーリーチが外れた時 俺の人生は終わる。”
”激熱だったぜぇ。” 男はパチンコ台の椅子に座ったまま シャツを脱ぎ捨て メタモルホーゼ！
”バンザーイ！”
けらっ。けらっ。けらっ。けらーっ。
身に危険を感じた周りで遊戯していた 客は足早に帰って行きます。
おいらも けらになっちまう。
パオーン。パオーン。パトランプが回ってます。
ネコネコ隊はレイザーを照射。ぷちゅん。ぷちゅん。 ばーんっ。
魔物は大爆発してパチンコの玉に変わりコロコロ木の床を転がって行きます。
隣のお客は激しく人間らしくおこります。
何だよ けらに見えても元は人なんだぞっ。助けられないのかよっ。
”ゴン太さん。 ” 客は 玉を握りしめて
”こんなになっちゃて 。”
ドクンドクン。 球を指でつまんで 掲げて。
”はぁ。まだ生きている。助けられるかもしれねえ。”
ゴン太さんは手術が済み。ピコーン。ピコ−ン。酸素吸引中。
IPSで体全体を作り変えました。
本体は玉のままですが・・ 首飾りとして存在を分けております。
暫く 安静にしていれば 社会復帰可能です。
積層された構造体が画面に映し出され。 有機物無機物が半々に変わってる。
一条リリアは私立高校生っ。親はいなく独りぼっちっ。親の記憶はない。
ひややぁ。お母さん。お父さん。 時折魘（うな）されます。
胸にジュエルのペンダントをしている。
階段の奥にある大きな油絵。 御じい様の見つけたトルストイの遺跡っ。
お蕎麦屋さんが自転車で通り セイロからパチンコの玉をいくつか 落としていきます。
コツコツコツッ。
けらっ。けらっ。けらっ。けらーっ。
”きやぁぁぁっ。”
ばしーいいん。 青銅騎士登場っ。
”此処は俺に任せて 普段通り お前は 学校に向かえっ。”
リリア ”はっはいっ。” たったったっ。 ”大丈夫かしらっ。”くるっり。”振り返るな。”
”はっはいっ。”
”俺の名は青銅騎士だ トルストイからやってきた。”
サーベルをくるりと回し デストロイゲート オープン。 紅蓮の業火。
バリバリバリッ。
キンコーンカンコーン。 私立ミッション学院。 ”はぁぁっ。着いたわ。”
礼拝堂の舞台上で 讃美歌をうたう リリア♪
rarararararaaa♪
舞台の後ろで 青銅騎士と魔物は くるくるっ大立ち回り。
青銅騎士 ”先のまるまった白の超振動樹脂サーベル。”
はっ。ぺしっ。はっ。ぺしっ。はっ。ぺしっ。
”トトットロイの戦士よお金があるとパーラーに体が勝手に引き寄せられるけら。” ”タスケテクレ。”
青銅騎士 ”わかった。” ”奇跡のアンプル注入。” ”依存症を治す弾丸セット。”
”ピピピッ。 ”ショックッ。” ぱぁぁん。 もくもくっ。
魔物は人間の姿に戻っていく。
”ボキはいままで賃上げばかりしていた。図書館でマルクス経済学を借りて勉強し 年貢を得て 事業を起こし 大勢に飢えの無い豊かな暮らしを約束するのだケラー。”
青銅騎士 ”・・・。” （割合を超えてはならない。）
”あのぉ。” リリアは大きな礼拝堂に寄贈された銀の燭台を腕に抱え 男に優しく手渡します。
”これを売って商売を初めて 人生をやり直してください。”
きしーん。きしーん。
元の優しい瞳に
”みんなに ダメ人間ダメ人間言われて 分かっちゃいるんだけれど 大切な まごころを 忘れていたんだよぉ。”
”これを元手に お米を買って ホカホカ弁当屋を始めます。”
リリアは優しい表情で ”誰にでも過ちはあります。” ”頑張ってください。応援していますわ。”
青銅騎士 ”めでたしめでたし。”
おしまい
影響を受けた作品：今回は内緒にします。楽しく生きましょう。
しがかり