わたし ヒナタ。 １０歳。 学校が終わると 電車に乗ってスタジオへ 憧れの歌手。キラキラマミさん目指して 演技指導を受けています。 わたし アイドル目指してがんばりまーす。 影泉先生・・ アイドル・・ とんでもない この子は 馬鹿に育てて お笑いの道に進むのです。 その為に わたしが 目を光らせています。
ヒナタ ”ここは どこっ。 東京タワー。 ユメちんと ルナちん。（パクパク。） 前にいるのは 魔法使い姿のホノカちゃん。（少し怒っている。） 影泉先生。 （ガンバレ。） キラ☆マミさん。（何故か不安そうな顔をしている。）そして 月のルーンを持つ人。 あなたは・・ あなたは だれっ。”
はっ。 がばっ。
ヒナタ ”わたし また あの夢をみた。”
ルナちん ”大丈夫か ヒナタ。 魘（うな）されとった でぇっ。”
タタタン。
たんたたたたたん。たんたたたたたん。
ヒナタは 学校で 掃除を終えて 駅に向かう。 きゃむ。 ぽん。 マジカルバーの中心を持ち ブランブラン させると 両脇の羽が羽ばたき 空を飛べる。
”今日は西武線に乗らないで 新宿まで 飛べるかしら。”
道を迷わないように ヒナタは 線路を目印に飛んでいく。 ばさっ。ばさっ。 ”ユメっ。 駅と駅の間って 意外に短いよねっ。 もう新宿がみえてきたよぉ。”
ヒナタ ”はっ。” 遠くに東京タワーが見える。 （大きいなぁ。）
夢でみた 情景を 少し思いだして・・
ルナちん ”ヒナタ どないした。” はっ。 ”なんでもないよぉ。”
ユメ ”これならば 劇団養成所まで すぐにたどり着けるわよね。”
ヒナタ ”うん。” （今日中に 定期を解約して スイカにして貰おう。）
”あっ。会社がみえてきたわ。”ばさっ。ばさっ。
ヒナタは 左手でマジカルバーにぶら下がり 右手で スカートを押さえて滑空してくる。 ふわふわ。 すたっ。
ヒナタ ”会社の入り口に 無事についたわ。” わーい。
大勢の人が 往来で 立ち止まり 様子を見ている。 けど いまさら感で 誰も何も言ってこない。
廊下の掲示板を 目を細めて む～ぅ ヒナタは メモを取りながら 真剣に見ている。 空いている日があるから お仕事入れたいわ。 わぁぁ 短期の御仕事があります。わらぽん春の祭典と マジカルワングランプリ。 かきかきっ。
２階の事務所に立ち寄り 申し込みをすると 中で事務員が カタカタッ 手早く 丁寧な書類を作り 相手先へ 過去の作品動画を添えて 確実に送ってくれる。
がちゃっ。 おはよう御座いまーす。 おはよう。 えへっ。ヒナタは 練習場の いつもの隅っこで 準備体操を始めた。 ラジオねこ体操。ミュージックスタート。 きゃはっ。
ラジオ猫体操。（アメリカ版）
にゃにゃにゃ。にゃにゃにゃにゃにゃにゃん。
ヤングガァー。（Girl）
躓（つまづ）いても ヤングガァー。 （躓く素振りで）
猫を庇（かば）うのさ ヤングガァー。 （ルナを抱っこして優しく行進。）
今日は 雨でも 明日は 晴れ晴れ（愉快）。（体全体を大きく広げて。大文字っ。）
Ｙ（わーい。）Ｍ（え～む。）Ｃ（すーぃ。）Ａ（え～い。）
猫 Ｋａｗａｉｉ．（かわいい。）
（体操の高町選手が振付をしてくれた。）
Ｙ・Ｍ・Ｃ・Ａ．（Young Men’s Cat`Association.）
Ｙ・Ｍ・Ｃ・Ａ. （Young Men’s Christian Association.）
奪わない。争わない。
一杯働いて。 周りを見る余裕をもとう。
たたた～ん。
自分のお家の事から（人の事より 自分の身の回りから） まず 始めよう。
（回し蹴りで空を切り スピン。 猫じゃらしーを持って きめのポーズ。）
今日は基礎運動（30分）、発声（10分）、舞台稽古（30分）、歌練習（40分）で 先生の手が開いてるときに 先生にドラマのセリフのチェックをして貰う。
お先に失礼しまーす。シャワーを浴びて Ｔシャツを取り替えて ヒナタは家に向かう。 カタン。カタン。
ヒナタ ”もう空を飛んで帰れる余力がありません。”
ヒナタは吊革につかまり 本を読んでいる。 （本の題名は Air。） カタン。カタン。 左をみると 優等生のひばりちゃんがいる。
ひばりちゃん にこっ。”こんばんわ。ヒナタちゃん。” わたしはピアノの帰りですわ。舞台稽古お疲れ様です。お疲れ様でーす。
クラスメートのひばりちゃんは 歌も 勉強も リコーダーも 運動も何でもできる 優等生っ。 ユメとルナは 目をぱちくりして 見てる。 カタン。カタン。
ヒナタは 少し俯（うつむ）いて・・
ヒナタ ”わたし ドジで 先生 おいそがしいのに 声をかけて 怒られてしまいました。” もう少し わたしは空気を読まないと 駄目なんです。 カタン。カタン。
ひばりちゃん ”ヒナタさんはやれば出来る子なんだから きっと大丈夫ですよ。””明日 謝ろう。”
ヒナタ ”うん。わたしは やれば出来る子。 きっと頑張れば 何とかなるおー。” ”有り難う。ひばりちゃん。” ”元気でたよぉー。”
人通りの多い 道を選んで ヒナタはお家に帰った。 お店（ラーメン屋さん）は やってるよ。
机についたが 疲れて勉強が 手につかない。 ふぅっ。 早めにお布団に入る。
”お布団の中 ふわふわで気持ち良いいいわぁ。わたしは まだまだ 未熟。 怒られてばかり でも 前向きに なんでも頑張ります。 きっと 明日は 良いことありそう。 お休みなさーい。”
影泉先生は 夜遅くまで事務所に残り 書類に目を通し ヒナタの応募封筒に 優しく推薦状を丁寧に差し込んでくれた。
つづく
影響を受けた作品：ガラスの仮面、クリーミーマミ、カードキャプターさくら、マジカルキャット団、（歌）ヤングマン（参考）。