今日の中学3年生の授業では,乗法公式と因数分解の復習をしました。生徒も若干飽きるくらいの量だったようです。乗法公式と因数分解はこれからの数学の基本になってくるところですからね。すらすら解けすぎて飽きるくらいの方がちょうどいいんです! とかね。
今回は,次回の授業を見越して,文字式の利用のまとめ(中学3年生版)をしておきます。(2年生版はこちら。)
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【説明の流れ】
■パートA■…登場人物の説明
① 文字が整数であることに触れる(自然数であるときもある←どちらかは問題に必ず書いてある)
② 登場する整数を文字式で表す
■パートB■…計算
③ 問題にある通りの式を立てる(和=たし算,差=ひき算,積=かけ算,商=わり算)
④ できるところまで計算する→必要な形(最終形)に変形する
■パートC■…結論
⑤ 最終形の文字の部分(( )の中の式)が整数であることに触れる→最終形全体が何かを述べる
⑥ 結論を述べる(問題文を写すだけ)
・書き出しや接続詞などは,教科書や先生によって多少違います。気にしなくて構いません。
全体を通して必要なことがきちんと書かれてあれば,全く問題ありません!
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問題・解答例
(※)スマホ版では指数(2乗や3乗)が大きく表示されるようなので,PC版で閲覧してください。
■偶数・奇数■
○基本問題1
2つの奇数の積は奇数になることを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「2つの奇数」を2m+1,2n+1と考える。
・結論が「奇数である」だから,最後の式は2( )+1になると予想する。
(証明)
m,nを整数とすると,
2つの奇数は,2m+1,2n+1と表される。
これらの積は,
(2m+1)(2n+1)
=4mn+2m+2n+1
=2(2mn+m+n)+1
ここで,2mn+m+nは整数なので,2(2mn+m+n)+1は奇数である。
よって,2つの奇数の積は奇数になる。
■連続する整数■
◎標準問題1
連続する2つの整数の2乗の差は,小さい方の数の2倍に1を加えた数に等しいことを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する2つの整数」をn,n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「小さい方の数の2倍に1を加えた数」だから,最後の式は絶対に2n+1になると分かる。
(証明)
nを整数とすると,
連続する2つの整数は,n,n+1と表される。
これらの2乗の差は,
(n+1)2-n2 ←差は〈大きい数-小さい数〉の順!
=n2+2n+1-n2
=2n+1
(ここで,nは小さい方の整数なので,2n+1はその2倍に1を加えた数である。)
よって,連続する2つの整数の2乗の差は,小さい方の数の2倍に1を加えた数に等しい。
●応用問題1
連続する2つの整数の2乗の差は,その2数の和に等しいことを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する2つの整数」をn,n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「その2数の和」だから,最後の式は絶対にn+(n+1)になると分かる。
(証明)
nを整数とすると,
連続する2つの整数は,n,n+1と表される。
これらの2乗の差は,
(n+1)2-n2 ←差は〈大きい数-小さい数〉の順!
=n2+2n+1-n2
=2n+1
=n+(n+1) ←最後の変形がポイント!
(ここで,n,n+1は連続する2つの整数なので,n+(n+1)はその2数の和である。)
よって,連続する2つの整数の2乗の差は,その2数の和に等しい。
《考察》
このように,途中まで全く同じ計算であっても,結論が違えば最後の形も当然違ってくる。
どの形で終わらなければならないか,必ず確認してから終わること! (`・ω・´)
◎標準問題2
連続する2つの整数では,2つの整数の積に大きい方の数を加えると,大きい方の数の平方になることを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する2つの整数」をn,n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「大きい方の数の平方」だから,最後の式は絶対に(n+1)2になると分かる。
(証明)
nを整数とすると,
連続する2つの整数は,n,n+1と表される。
これらの積に大きい方の数を加えると,
n(n+1)+(n+1)
=n2+n+n+1
=n2+2n+1
=(n+1)2
(ここで,n+1は大きい方の整数なので,(n+1)2はその平方である。)
よって,連続する2つの整数では,2つの整数の積に大きい方の数を加えると,大きい方の数の平方になる。
◎標準問題3
連続する2つの偶数の積に1をたした数は奇数の2乗になることを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する2つの偶数」を2n,2n+2と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「奇数の2乗」だから,最後の式は{2( )+1}2になると予想する。
(証明)
nを整数とすると,
連続する2つの偶数は,2n,2n+2と表される。
これらの積に1を加えた数は,
2n(2n+2)+1
=4n2+4n+1
=(2n+1)2 ←予想とは少し違うが,〈2×整数+1〉の形の2乗なので,これでOK!
ここで,nは整数なので,(2n+1)2は奇数の2乗である。
よって,連続する2つの偶数の積に1をたした数は奇数の2乗になる。
◎標準問題4
連続する2つの奇数の積に1をたした数は4の倍数になることを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する2つの奇数」を2n-1,2n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「4の倍数」だから,最後の式は4( )になると予想する。
(証明)
nを整数とすると,
連続する2つの奇数は,2n-1,2n+1と表される。
これらの積に1を加えた数は,
(2n-1)(2n+1)+1
=4n2-1+1
=4n2 ←( )はないが,〈4×整数〉の形なので,これでOK!
ここで,nは整数なので,4n2は奇数の2乗である。
よって,連続する2つの奇数の積に1をたした数は4の倍数になる。
→「連続する2つの奇数」を2n+1,2n+3とすると,最後の式は4(n2+2n+1)になる。因数分解の問題ではないので,4(n+1)2とする必要はない。
◎標準問題5
連続する2つの奇数の2乗の差は8の倍数になることを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する2つの奇数」を2n-1,2n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「8の倍数」だから,最後の式は8( )になると予想する。
(証明)
nを整数とすると,
連続する2つの奇数は,2n-1,2n+1と表される。
これらの2乗の差は,
(2n+1)2-(2n-1)2 ←差は〈大きい数-小さい数〉の順!
=4n2+4n+1-(4n2-4n+1)
=4n2+4n+1-4n2+4n-1
=8n ←( )はないが,〈8×整数〉の形なので,これでOK!
ここで,nは整数なので,8nは8の倍数である。
よって,連続する2つの奇数の2乗の差は8の倍数になる。
→「連続する2つの奇数」を2n+1,2n+3とすると,最後の式は8(n+1)になる。
●応用問題2
連続する3つの整数のそれぞれの2乗の和に1をたした数は,3の倍数になることを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する3つの整数」をn-1,n,n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「3の倍数」だから,最後の式は3( )になると予想する。
(証明)
nを整数とすると,
連続する3つの整数は,n-1,n,n+1と表される。
これらの2乗の和に1をたした数は,
(n-1)2+n2+(n+1)2+1
=n2-2n+1+n2+n2+2n+1+1
=3n2+3
=3(n2+1)
ここで,n2+1は整数なので,3(n2+1)は3の倍数である。
よって,連続する3つの整数のそれぞれの2乗の和に1をたした数は,3の倍数になる。
→「連続する3つの整数」をn,n+1,n+2とすると,最後の式は3(n2+2n+2)になる。
●応用問題3
連続する3つの自然数のそれぞれの2乗の和から5をひくと,最小の数と最大の数の積の3倍になることを説明せよ。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する3つの自然数」をn,n+1,n+2と考える。連続するから,文字は1種類!
(n-1,n,n+1とすると,n=1のときにn-1が0(自然数ではない数)になってしまい,条件に合わなくなってしまうのでダメ! 0は正でも負でもないただの整数。)
・結論が「最小の数と最大の数の積の3倍」だから,最後の式は絶対に3n(n+2)になると分かる。
(証明)
nを自然数とすると,
連続する3つの自然数は,n,n+1,n+2と表される。
これらの2乗の和から5をひくと,
n2+(n+1)2+(n+2)2-5
=n2+n2+2n+1+n2+4n+4-5
=3n2+6n
=3n(n+2)
(ここで,n,n+2は最小の数,最大の数なので,3n(n+2)はそれらの積の3倍である。)
よって,連続する3つの自然数のそれぞれの2乗の和から5をひくと,最小の数と最大の数の積の3倍になる。
●応用問題4
連続する3つの整数で,最も大きい数の2乗から最も小さい数の2乗をひいた差は,真ん中の数の4倍に等しいことを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する3つの自然数」をn-1,n,n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「真ん中の数の4倍」だから,最後の式は絶対に4nになると分かる。
(証明)
nを整数とすると,
連続する3つの整数は,n-1,n,n+1と表される。
最も大きい数の2乗から最も小さい数の2乗をひいた差は,
(n+1)2-(n-1)2 ←差は〈大きい数-小さい数〉の順!
=n2+2n+1-(n2-2n+1)
=n2+2n+1-n2+2n-1
=4n
(ここで,nは真ん中の数なので,4nはその4倍である。)
よって,連続する3つの整数で,最も大きい数の2乗から最も小さい数の2乗をひいた差は,真ん中の数の4倍に等しい。
→「連続する3つの整数」をn,n+1,n+2とすると,最後の式は4(n+1)になる。
●応用問題5
連続する3つの整数では,中央の整数の2乗から他の2数の積をひくと1になる。このことを,中央の整数をnとして証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・文中に書いてあるので,nが整数である説明(流れの①)は書かなくてもよいと分かる。
・登場する「連続する3つの自然数」をn-1,n,n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「1」だから,最後の式は絶対に1になると分かる。
(証明)
(nを整数とすると,)
連続する3つの整数は,n-1,n,n+1と表される。
中央の整数の2乗から他の2数の積をひくと,
n2-(n-1)(n+1)
=n2-(n2-1)
=n2-n2+1
=1
よって,連続する3つの整数では,中央の整数の2乗から他の2数の積をひくと1になる。
●応用問題6
連続する3つの整数で,真ん中の数の3乗から真ん中の数をひいた差は,3つの数の積に等しいことを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「連続する3つの自然数」をn-1,n,n+1と考える。連続するから,文字は1種類!
・結論が「3つの数の積」だから,最後の式は絶対に(n-1)n(n+1)になると分かる。
(証明)
nを整数とすると,
連続する3つの整数は,n-1,n,n+1と表される。
真ん中の数の3乗から真ん中の数をひいた差は,
n3-n
=n(n2-1)
=n(n+1)(n-1)
=(n-1)n(n+1) ←n(n+1)(n-1)で終わってもよいが,連続順に並べる方がよい
(ここで,n-1,n,n+1は連続する3つの整数なので,(n-1)n(n+1)はそれらの積である。)
よって,連続する3つの整数で,真ん中の数の3乗から真ん中の数をひいた差は,3つの数の積に等しい。
→「連続する3つの整数」をn,n+1,n+2とすると,最後の式はn(n+1)(n+2)になる。
■余りのある数■
●応用問題7
7でわると2余る自然数と,7でわると5余る自然数の積を7でわると,3余ることを証明しなさい。
→問題文を読んだ時点で,
・登場する「7でわると2余る自然数」と「7でわると5余る自然数」は,順に7m+2,7n+5と考える。連続も関係もない数だから,文字は2種類!
・結論が「7でわると,3余る」だから,最後の式は7( )+3になると予想する。
(証明)
m,nを自然数とすると,
7でわると2余る自然数は7m+2,7でわると5余る自然数は7n+5と表される。
これらの積は,
(7m+2)(7n+5)
=49mn+35m+14n+10
=49mn+35m+14n+7+3 ←余りの3を作るために,10を7と3に分ける
=7(7mn+5m+2n+1)+3
ここで,7mn+5m+2n+1は自然数なので,7(7mn+5m+2n+1)+3は7でわると3余る(自然)数である。
よって,7でわると2余る自然数と,7でわると5余る自然数の積を7でわると,3余る。