3日連続の連立方程式。第3弾の今日は速さについてまとめてみます。昨日に引き続き,苦手に感じる人が多い問題ですが,1つ1つ整理して考えていきましょう。
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【文章題の読み方】
■文章の話題■
・連立方程式は,方程式が2つ必要。ということは,文章の中にも話題やパターンが2つある!
[例]枚数と代金(枚と円),個数と重さ(個とg),距離と時間(mと分)など
→単位も2種類ある
■文章の方程式化■…下の「パートB」の作業
・求めなければならないもの(問われているもの)を,単位を付けて,x,yで表す
・書かれてある通りのことを式にするだけ(=実は超シンプルな作業)
(補足)「=」は,「~は」「~すると」「~したら」「~したところ」「~したため」「~して」などの位置に来る!
【文章題の流れ】
■パートA■…準備
◎ 何をx,yと置くか(求めなければならないもの)を確認する
◎ 2つの話題を確認する
■パートB■…登場人物の説明
① 求めなければならないもの(問われているもの)をx,yで表す ←単位も忘れず付ける!
(問題文の最後の部分をまねするだけ)
② 文章に書かれていある通りに式に起こす
■パートC■…計算
③ 連立方程式を解く
■パートD■…解答
④ (問題文と同じになるか確認してから)解答を書く
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問題・解答例
(※)問題文を解釈した「 」内では,青色と緑色で2つの話題やパターンを表しておきます。
(※)計算は加減法でも代入法でもどちらでも構いません。下記の計算は,あくまでも解答例です。
(※)計算式のフォントを操作してあるので,Windowsパソコンだと見やすく表示されるはずです。
(※)分数はスラッシュで斜め表記してあります。「1/2」は「2分の1」です。灰色で区切りを付けています。
■途中で速さが変わる時間・道のり■
《確認》
・速さ=道のり÷時間
・時間=道のり÷速さ
・道のり=速さ×時間
・数直線にまとめると,速さ:2項目・時間:3項目・道のり:3項目の計8項目の記入ができる!
←速さには合計がない! (土偶の顔…?)
◎標準問題1
A地点から150km離れたC地点まで行くのに,途中のB地点までは時速40km,B地点からは時速60kmの速さで進んだところ,全体で3時間かかった。AB間の距離,BC間の距離をそれぞれ求めなさい。
→書かれていない時間(話題Bの下線,図の□の部分)は自分で求めておく!
→話題A「xkm進んで,ykm進んだところ(=)全体で150km」
話題B「x/40時間進んで,y/60時間進んだところ(=)全体で3時間かかった」

(解答):加減法
AB間の距離をxkm,BC間の距離をykmとすると,
x+y=150 …① 〈道のりの式〉
x/40+y/60=3 …② 〈時間の式〉
②×120 3x+2y=360 …②' ←右辺の3も忘れず120倍!
①×2 2x+2y=300 …①'
②'-①' x=60 …③
③を①に代入 60+y=150
y=90
連立方程式の解:x=60,y=90 A.AB間…60km,BC間…90km
◎標準問題2
全体が18kmのハイキングコースを,初めは時速4kmで歩き,途中から時速3kmで歩くと,5時間かかりました。時速4kmで歩いた時間と時速3kmで歩いた時間をそれぞれ求めなさい。
→書かれていない道のり(話題Bの下線,図の□の部分)は自分で求めておく!
→話題A「初めはx時間歩き,途中からy時間歩くと(=)5時間かかりました」
話題B「初めは4xkm歩き,途中から3ykm歩くと(=)18km」

(解答):加減法
時速4kmで歩いた時間をx時間,時速3kmで歩いた時間をy時間とすると,
x+y=5 …① 〈時間の式〉
4x+3y=18 …② 〈道のりの式〉
①×4 4x+4y=20 …①'
①'-② y=2 …③
③を①に代入 x+2=5
x=3
連立方程式の解:x=3,y=2 A.時速4km…3時間,時速3km…2時間
●応用問題1
Aくんの家から駅までは2kmあり,途中に公園がある。ある日Aくんは家から公園まで毎分100mで走り,公園で3分休憩した後,公園から駅までは毎分60mで歩いて行ったところ,全部で32分かかった。このとき,Aくんの家から公園までの道のりと公園から駅までの道のりを求めなさい。
→書かれていない時間(話題Bの下線,図の□の部分)は自分で求めておく!
→話題A「xm走り,ym歩いて行ったところ(=)(2kmをmに直して)2000m」
話題B「x/100分走り,3分休憩した後,y/60分歩いて行ったところ(=)全部で32分かかった」

(解答):加減法
家から公園までの道のりをxm,公園から駅までの道のりをymとすると,
x+y=2000 …① 〈道のりの式〉
x/100+3+y/60=32 …② 〈時間の式〉
②より x/100+y/60=29
両辺を300倍して 3x+5y=8700 …②'
①×3 3x+3y=6000 …①'
②'-①' 2y=2700
y=1350 …③
③を①に代入 x+1350=2000
x=650
連立方程式の解:x=650,y=1350 A.家から公園まで…650m,公園から駅まで…1350m
●応用問題2
2つの給水管A,Bと水槽がある。Aからは毎分8L、Bからは毎分6Lの水が出る。 また,A,Bを一緒に使って水槽を満水にするには15分間かかる。この水槽にまずAだけで水を入れ,続けてBだけで水を入れると,満水になるまでに最初から31分間かかった。このとき,次の問いに答えなさい。
⑴ 水槽の容積を求めなさい。
→AとBを一緒に使うと,1分間で8+6=14(L)の水が入る。その15分間分を求める。
(解答) (8+6)×15=14×15=210 A.210L
⑵ Aで入れた水の量とBで入れた水の量をそれぞれ求めよ。
→速さでなくても,発想は速さと一緒!
→書かれていない時間(話題Bの下線,図の□の部分)は自分で求めておく!
→話題A「xL入れ,続けてyL入れると(=)満水の210L」
話題B「x/8分入れ,続けてy/6分入れると(=)最初から31分間かかった」

(解答):加減法
Aで入れた水の量をxL,Bで入れた水の量をyLとすると,
x+y=210 …① 〈水の量の式〉
x/8+y/6=31 …② 〈時間の式〉
②×24 3x+4y=744 …②'
①×3 3x+3y=630 …①'
②'-①' y=114 …③
③を①に代入 x+114=210
x=96
連立方程式の解:x=96,y=114 A.A…96L,B…114L
■2通りある速さ・時間・道のり■
《確認》
・1つの通りにつき1つの数直線を用意して,情報を整理する!
◎標準問題3
A地点からB地点を通ってC地点まで行くのに,自転車でAB間を時速15km,BC間を時速12kmで進むと1時間かかります。また,AB間を時速3km,BC間を時速4kmで歩くと4時間かかります。AB間,BC間の道のりは,それぞれ何kmですか。
→書かれていない時間(パターンA,Bの下線,図の□の部分)は自分で求めておく!
→パターンA「時速15kmでxkm(x/15時間)進み,時速12kmでykm(y/12時間)進むと(=)1時間かかります」
パターンB「時速3kmでxkm(x/3時間)進み,時速4kmでykm(y/4時間)進むと(=)4時間かかります」

(解答):加減法
AB間の道のりをxkm,BC間の道のりをykmとすると,
x/15+y/12=1 …① 〈パターンAの式〉
x/3+y/4=4 …② 〈パターンBの式〉
①×60 4x+5y=60 …①'
②×12 4x+3y=48 …②'
①'-②' 2y=12
y=6 …③
③を②'に代入 4x+18=48
4x=30
x=15/2
連立方程式の解:x=15/2,y=6 A.AB間…15/2km(7.5km),BC間…6km
●応用問題3
A町から峠を越えてB町まで往復した。行きも帰りも,上りは時速3km,下りは時速6kmで歩いたところ,行きは1時間20分,帰りは1時間40分かかった。A町からB町までの道のりを求めなさい。
→書かれていない時間(パターンA,Bの下線,図の□の部分)は自分で求めておく!
→話題A「上りは時速3kmでxkm(x/3時間),下りは時速6kmでykm(y/6時間)歩いたところ(=)(1時間20分を時間に直して)80/60時間かかった」
話題B「上りは時速3kmでykm(y/3時間),下りは時速6kmでxkm(x/4時間)歩いたところ(=)(1時間40分を時間に直して)100/60時間かかった」

(解答):加減法
・A町から峠までの道のりをxkm,峠からB町までの道のりをykmとすると,
x/3+y/6=80/60 …① 〈行きの式〉
x/6+y/3=100/60 …② 〈帰りの式〉
①より x/3+y/6=4/3
両辺を6倍して 2x+y=8 …①'
②より x/6+y/3=5/3
両辺を12倍して 2x+4y=20 …②' ←一旦6倍してから,2倍して2xでそろえてもよい
①'-②' 3x= 6
x=2 …③
③を①'に代入 4+y=8
y=4
連立方程式の解:x=2,y=4 (A町から峠…2km,峠からB町…4km) ←ここで終わらない!
・2+4=6 A.6km
●応用問題4
家から駅まで1.2kmあります。家を出発して,途中で2分間だけ走ると20分で,途中で4分間だけ走ると16分で駅に着きます。走る速さも歩く速さも一定として,歩いたときと走ったときの速さをそれぞれ分速で求めなさい。
→書かれていない道のりと時間(パターンA,Bの下線,図の□の部分)は自分で求めておく!
→パターンA「分速xmで18分間(18xm)歩き,分速ymで2分間(2ym)走ると(=)(1.2kmをmに直して)1200m」
パターンB「分速xmで12分間(12xm)歩き,分速ymで4分間(4ym)走ると(=)(1.2kmをmに直して)1200m」
(どちらも,“途中で走った”ではなく,“歩き終わった後で走った”と整理しておくと考えやすい)

(解答):加減法
歩いたときの速さを分速xm,走ったときの速さを分速ymとすると,
18x+2y=1200 …① 〈パターンAの式〉
12x+4y=1200 …② 〈パターンBの式〉
①÷2 9x+y=600 …①'
②÷4 3x+y=300 …②'
①'-②' 6x=300
x=50 …③
③を②'に代入 150+y=300
y=150
連立方程式の解:x=50,y=150 A.歩いたとき…分速50m,走ったとき…分速150m
■湖・池■
《確認》
・図で整理した情報を数直線にして考えてみる!
・反対方向…2人の移動距離の和が1周分。同じ方向…2人の移動距離の差が1周分。
◎標準問題4
1周1500mの池のまわりを,A君とB君は同じ地点から同時に出発して,それぞれ一定の速さで走ることにした。 2人が反対方向に走ったところ,5分後に初めて出会った。2人が同じ方向に走ったところ,30分後にA君がB君に追いついた。A君とB君の走る速さをそれぞれ求めなさい。
→書かれていない道のり(パターンA,Bの下線,図(数直線)の□の部分)は自分で求めておく!
→パターンA「分速xmで5分走った距離(5xm)と分速ymで5分走った距離(5ym)の合計が(=)(池1周分の)1500m」
パターンB「分速xmで30分走った距離(30xm)と分速ymで30分走った距離(30ym)の違いが(=)(池1周分の)1500m」




(解答):加減法
Aさんの速さを分速xm,Bさんの速さを分速ymとすると,
5x+5y=1500 …① 〈反対方向の式〉
30x-30y=1500 …② 〈同じ方向の式〉
①÷5 x+y=300 …①'
②÷30 x-y= 50 …②'
①'+②' 2x=350
x=175 …③
③を①'に代入 175+y=300
y=125
連立方程式の解:x=175,y=125 A.Aさん…分速175m,Bさん…分速125m
◎標準問題5
湖のまわりに6㎞の道がある。Aさんは自転車で,Bさんは徒歩で,同じ地点から同じ方向へ同時に出発したところ,Aさんは40分後にBさんに追いついた。追いついた地点から,今度は互いに反対の方向へ同時に出発したところ,24分後に2人は出会った。AさんとBさんの速さをそれぞれ求めなさい。
→書かれていない道のり(パターンA,Bの下線の部分)は自分で求めておく!
→パターンA「分速xmで40分移動した距離(40xm)と分速ymで40分歩いた距離(40ym)の違いが(=)(湖1周分の)(6kmをmに直して)6000m」
パターンB「分速xmで24分移動した距離(24xm)と分速ymで24分歩いた距離(24ym)の合計が(=)(湖1周分の)(6kmをmに直して)6000m」
(解答):加減法
Aさんの速さを分速xm,Bさんの速さを分速ymとすると,
40x-40y=6000 …① 〈同じ方向の式〉
24x+24y=6000 …② 〈反対方向の式〉
①÷40 x-y=150 …①'
②÷24 x+y=250 …②'
①'+②' 2x=400
x=200 …③
③を②'に代入 200+y=250
y=50
連立方程式の解:x=200,y=50 A.Aさん…分速200m,Bさん…分速50m
●応用問題5
周囲が8kmの湖があります。この湖を,兄は自転車で,弟は徒歩で,同じところを出発して反対の方向にまわります。2人が同時に出発すれば,兄と弟は30分後に出会いますが,兄が弟より20分遅れて出発すれば,兄は出発して25分後に弟と出会います。兄,弟それぞれの速さは毎時何kmですか。
→書かれていない道のり(パターンA,Bの下線の部分)は自分で求めておく!
→パターンA「時速xkmで(30分を時間に直した)30/60時間移動した距離(30xm)と時速ykmで(30分を時間に直した)30時間走った距離(30ykm)の合計が(=)(湖1周分の)8km」
パターンB「時速xkmで(25分を時間に直した)25/60時間移動した距離(25xm)と時速ykmで(45分を時間に直した)45/60時間走った距離(45ym)の違いが(=)(湖1周分の)8km」
(兄が弟より20分遅れて出発したということは,弟は兄より20分長く(合計45分間)歩いていたことになる)
(解答):加減法
兄の速さを時速xkm,弟の速さを時速ykmとすると,
(30/60)x+(30/60)y=8 …① 〈パターンAの式〉
(25/60)x+(45/60)y=8 …② 〈パターンBの式〉
①より (1/2)x+(1/2)y=8
両辺を2倍して x+y=16 …①'
②より (5/12)x+(3/4)y=8
両辺を12倍して 5x+9y=96 …②'
①'×5 5x+5y=80 …①”
②'-①” 4y=16
y=4 …③
③を①'に代入 x+4=16
x=12
連立方程式の解:x=12,y=4 A.兄…時速12km,弟…時速4m
■鉄橋・トンネル■
《確認》
・「始めてから終わった」と「終わってから始める」とで考え方が違う! 問題をしっかり読むこと!
◎標準問題6
ある列車が650mの鉄橋を渡り始めてから渡り終えるまでに50秒かかった。また,1450mのトンネルに入り終わってから出始めるまでに1分40秒かかった。列車の長さと速さを求めなさい。
(解答):加減法
列車の長さをxm,速さを秒速ymとすると,
50y=650+x …① 〈パターンAの式〉
90y=1450-x …② 〈パターンBの式〉
①+② 140y=2100
y=15 …③
③を②に代入 1350=1450-x
x=100
連立方程式の解:x=100,y=15 A.長さ…100m,速さ…秒速15m
◎標準問題7
一定の速さで走る列車があります。この列車は長さ550mの鉄橋を渡るのに,渡り始めてから渡り終わるまでに30秒かかりました。また,長さ650mのトンネルを通り抜ける際,列車がトンネルの中に完全に隠れていたのは20秒間でした。この列車の長さと速さを求めなさい。
(解答):加減法
列車の長さをxm,速さを秒速ymとすると,
30y=550+x …① 〈パターンAの式〉
20y=650-x …② 〈パターンBの式〉
①+② 50y=1200
y=24 …③
③を②に代入 480=650-x
x=170
連立方程式の解:x=170,y=24 A.長さ…170m,速さ…秒速24m
●応用問題6
長さ170mのトンネルに入り始めてから出終わるまでに15秒かかる電車Aが,速さが秒速20m,長さが90mの電車Bと出会ってからすれちがい終わるまでに5秒かかった。電車Aの長さと速さを求めなさい。
(解答):加減法
列車Aの長さをxm,速さを秒速ymとすると,
15y=x+170 …① 〈パターンAの式〉
5y+20×5=x+90 …② 〈パターンBの式〉
②より 5y+100=x+90 ←これが②でもよい
5y=x-10 …②'
①-②' 10y=180
y=18 …③
③を②'に代入 90=x-10
-x=-100
x=100
連立方程式の解:x=100,y=18 A.長さ…100m,速さ…秒速18m