売却した義父の家でエステートセールが開催される中、地下室で作業し、一部の品をテキサスの我が家へ輸送するためのパッキング完了。
義母のピアノを夫が引き継ぐのがメイン。
銀食器コレクションを引き継ぐのでパッキングしたのだけど、引き取ったあと収納するものが我が家にないので、それが入っていたちょっと開け閉めが難になっている古い家具も一緒に引き取ることにした。
義父が手放したくなかったが、ダウンサイズしたアパートには持っていけない工具類も、夫のもとに引き取られる事になる。
諸々を箱詰め。
予定外に加えたのが、このデスク。
義母の妹が同居していたAさん(女性)から義母が貰ったか買ったかしたもの。
義母が他界し、Aさんも他界したあと、義父に妹さんから「Aさんの姉があのデスクは親が使っていたものなので返してほしい」と連絡がきたらしいのだが、義父はその妹さんに金銭関係で良い想い出がなく「妹の手に渡ると彼女が売却して金を手に入れて終わり。(Aさんが姉が欲しいというのは作り話に違いない、と言うのだ)譲れない。」と断ったという。
このデスクも義父の新居アパートには納まらない。かといって、元の持ち主に戻すのを断って他人に売却してしまうのもスジではない。
セール前に夫が妹さん(夫にとっては叔母さん)に連絡を入れたが、返答はなしで捕まらず。
ということで、Aさん家族の意向がはっきりするまでテキサスの我が家で預かる形となった。
家族の歴史や思い出の詰まった物たち。
それでも全てを手元に残すわけにもいかない。
センチメンタルな気持ちになる中、手元を離れても嬉しい行き先に引き継がれていくものもある。
ダイニングテーブルはその一つ。
パーティー好きだった義母は、よく大勢の人々を家に招いては楽しいときを過ごしていた。
その友人たちの一人Cさん。息子さんがちょうど他州からCさんの近くに引っ越してきたところ。その息子さんの新居にダイニングテーブルを自分が買ってプレゼントするという。
Cさんには、義母が他界して際に大変お世話になっている。実は義母が急変し息を引き取る前、最後に合っていたのはCさんだ。
Cさん家族に引き取られるなら、そんな嬉しい事はない。物品はすでにセールを託した業者のものという形なので、Cさんの替わりに私たちが買い戻し、Cさんには無償で引き取っていただくことにした。
セール終了後、そのテーブルをCさんにお届け。
「このテーブルの周りを、12人で囲んで笑いあったものよ。本当、このテーブルを見ると、沢山の想い出が蘇ってくるわ。」そうしみじみ語るCさんの目に、テーブルの見てきた多くの幸せな時間を想像させられる。
Cさんの息子さん宅で、また新たな幸せな時間を積み重ねて言ってもらえれば、幸いだ。