
本日のpatchは、VRマーチング大会のpatch2012年バージョン。
捨てる神あれば拾う神あり。
いや、今回は、拾う神あれば捨てる神あり。
この夏休み、息子の友人たちはコミカレで高校と大学の単位が同時に取れる授業に通う。賢明な夏休みの使い方だ。(これ、単位がとれるだけでなく、その分高校の授業枠が開けられて選択科目の選べる数が増えるし、GPA計算の対象にならずに単位が取れるので、進路に関係の薄い苦手科目をこれで済ませておけば成績にも好都合。)
息子も一緒にどうかと、彼らの親御さんからも誘われた。できれば息子もそうさせたい。
がしかし、息子は既に、6週間他州のキャンプに参加する事にさっさと決めていた。
友人たちがせっせと勉強する中、息子が参加するのは吹奏楽のキャンプ・・・。
数日前、そのキャンプから連絡が入った。
「6週間の吹奏楽キャンプの直前の1週間、サックスのキャンプがあるのですが、まだ空きがあり、息子さんの吹奏楽キャンプ用のオーディション演奏を吟味させていただいた結果、奨学金をご用意できます。もし1週間早く参加が可能であれば、いかがでしょう?」
願ったりかなったりだ。
そのサックスキャンプ、息子が「米国の現行サックス奏者の中で最高」とする中の一人が先生なのだ。
吹奏楽バンドのほうもサックスはその先生が担当ではあるがサックス専門キャンプというわけではない。それでも息子は、参加できるサックスが4名限定の吹奏楽の方を選びオーディションを受け、参加が決まったのだった。(サックスキャンプの方もオーディションはあり、15名枠くらい)
息子に話してみると、サックスキャンプも参加したいと即答。
これが拾う神。
奨学金がなければ参加しなかったサックス集中キャンプへの招待と言う、拾う神。

だがしかし、その参加を決めるのに、一つクリアしなければならないものがあった。
マーチングバンドのドラムメジャー(指揮をするリーダー)の選考。

学校のバンドの、来年度のドラムメジャーの選考に参加登録していた息子。
もし息子が選考で選ばれれば、学校指定のドラムメジャー・キャンプに参加が必須。
そのキャンプの日程が、サックスキャンプと同じ週なのだ。
つまり、クリアしなければならないものは、ドラムメジャーに「選ばれない」という条件。
もちろん、選ばれたいから選考に参加した息子。
「おお、ガンバレよ」と応援はしてきた。
同じく参加の友人たちと放課後や週末に集まってマーチングの練習をしたり、家で指揮の練習を懸命に行っていた。面接の準備も頑張った。
でもなあ~、選ばれる人数と選考参加の人数を考えただけでも、落選の可能性が高いんだよなあ~。
(息子の学校、楽器の演奏や指揮といった音楽面だけでなく、学校の成績や、リーダーとしての経験、指導力など様々な点を考慮する。息子が入学してからみてきた歴代ドラムメジャーも、卒業後ハーバード進学、スタンフォード進学など、成績もトップな子達。息子にはちょっとどうかなあ・・・)
そんなところに奨学金オファーでキャンプの誘い。
選考がダメでもキャンプがあるさ、という慰めができた。
そのドラムメジャーのオーディションが今日行われた。
全てのオーディション項目を終えた息子と友人を乗せ、後部座席で交わされる会話。
「あそこミスったよ」「でも良い出来だったと思うよね」「あいつはミスってパニくってたな」「まあ、選ばれなくても良いや、選ばれたいけど」
オーデションが終わってほっとしたのと、結果を待つ高揚感が漂っている。
そして結果は出た。
息子も、仲の良い友人たちも選ばれなかった。
それなりにやっぱりガッカリする息子。
「まあ、みんなで一緒に練習したりしたのや、選考に参加したこと、全部ちゃんと糧になって自分に返ってくるから。良くやったね」と労いの言葉をかけつつ思う。
「ほら、これでサックス・キャンプ参加を阻むものもなくなったし」
拾う神あれば、捨てる神あり。
悲喜こもごもな、息子のバンド高校生生活。
