
先日作ったこのジャケット。

フリース地を買う際に45インチ幅で計算して注文したら、実際の生地は幅広仕様だったので、もう1着作れるほど布地が残った。
完成させたジャケットが思ったよりフェミニンにできあがったのと、柄がうるさすぎになったので、少しだけ作り方を変更。
ポケットを作るために、前身ごろを3枚カットを縫い合わせていたのを、ポケットをあきらめて1枚でカットすることにした。
そうすれば柄が分離された3枚のつなぎ合わせでなく、1枚の続いた柄になるので、うるささが減少するはず。
同時に、3枚を縫い合わせる際に、カーブを持たせて胸の辺りがやや立体にできあがっていたのがフラットになる。
あとは、身頃がAライン気味のカットだったのを、ストレートに近いラインに変えてみた。
出来上がったのはこれ。

やっぱり、柄はすっきり。
でも、簡略化した分それなり、かな

スリットポケットがなくなったので、できれば、スエットパーカーによくあるカンガルーポケットを付けたかったけれど、そこまで生地は残っていなかったのが残念。
このフリース、昨シーズンのあとのセールで買っておいてあったものなので、既に売り切れで買い足しもできない。
まあ、仕方ないか。
部屋着で着るなら、ポケットがなくても、むしろシンプルでくつろぎやすいでしょう。
最近、人の着ている服をじっとみている自分に気がついた。
例えば、「あのパーカーのフードの首もとの仕上げ、どうなっているんだろう・・・」などと、作り方の参加につい見つめてしまっているのだ。
いかんっ!やめないと・・・
相手に気づかれたら不気味に思われるだろうし。
そう思って思い出した。
高校時代、書店でバイトしていた時の事。
京都の、修学旅行生がうようよやってくる場所にある小さな書店のレジに立っていて、なにげなく店の外を眺めるともなく眺めていた。
外をうろついている大勢の学生服姿。
ああ、あの子、友達のA君に雰囲気が似てるなあ~、どこが似ているのかな~、そんな事をおもいながら、どうも見知らぬ修学旅行生男子をじっと見つめてしまったらしい。
しばらくして書店あてに手紙が届いた。
(私が担当していたのはごく小さな支店の方で、ほぼ毎日レジは私、奥に社員の男性が一人だったので、内容を読んだ社員の方が「これ君宛だと思うよ」と渡された。)
「*月*日、修学旅行の自由時間にお土産を買いに歩いていて通りかかった書店で、レジにいた女の子が自分を見つめているような気がしました。いや、自分じゃないだろうと思っても、やっぱりどうも僕を見つめているようでした。あとでもう一度通りかかって、思い切って本を買うことにしましたが、本を差し出す時に手が震えました。その時本にかけてもらった書店のカバーの住所に手紙を出すことにしました。写真を同封します。覚えていらっしゃいますでしょうか。僕も貴方が気になっています。よろしければ手紙を下さい。」
同封されていた写真を見て、思わず「あ~」とガッテン。
履歴書に貼り付けるような生真面目な顔のモノクロ写真は、まぎれもなく、私がぼ~と見つめていた「A君に似た」高校生だった。
「返事、書いてあげなよ」と言われたけれど、どうしたんだっけ。
多分、どう書いていいか迷いに迷って返事を出さなかった気がする。
人や、人の着ている服を、ぼ~っと見つめないように、気をつけなきゃなあ。
本日のピンズは、シドニー・オリンピックのカンガルーのピン。
パーカーのカンガルーポケット縫い付けの挑戦は、また今度の機会に。
BGM「見つめていたい」川村カオリ
見つめていたい・・・