
スーちゃん。。。
大衆音楽は、生活に密着して存在する。
昭和の歌謡曲は、私の過ごしてきた日々に、バックグランド・ミュージックとして、思い出の場面場面に張り付いている。
私の中でキャンディーズも、家族が見ていたTVを横目で眺めている場面、同級生が昨夜のTVの話をしていた話題、バイト先で耳にする有線・・・さまざまな思い出のあちこちに存在する。
特に、最後のシングル「微笑みがえし」には、期待と不安の入り混じった春休みも風景がこの曲にくっついて存在する。
この「微笑がえし」は、阿木燿子さんの歌詞が絶妙。
「春一番が掃除したてのサッシの窓に埃の渦を躍らせてます」
「サッシ」という言葉がツボ。
「机 本箱 運び出された荷物のあとは 畳の色がそこだけ若いわ」
色が「違う」でなく「若い」がツボ。
「何年経っても年下の人」
あたりまえだけれど、どうしてもどうしようもない現実という切なさがこのフレーズだけで伝わる。
「おかしっくって涙が出そう」
切ない・・・
そして、キャンディーズの過去のシングル曲タイトルが散りばめられているのがすばらしい。
「春一番」「わな」「ハートのエースが出てこない」「年下の男の子」「やさしい悪魔」「アン・デゥ・トロワ」・・・
引越しで、そこで過ごした思い出に切なく思う気持ちと、ラスト・シングルで今までのキャンディーズの曲を振り返る切なさがオーバーラップする、なんともイキな構成。
BGM「微笑みがえし」byキャンディーズ
「ハートのエースが出てこない」だったのが、最後の微笑みがえしのなかで「ハートのエースが出てきましたよ」と、出てきたわけだけれども、スーちゃんなしでは、もうハートのエースは永遠に出てこなくなった。
本日のピンズは、ハートのエースではなく、ラン・スー・ミキ3人揃ったキャンディーズを偲んで、三つ葉のエースのピン。