
オースティンに引っ越してきた頃、家の周りにもアイスクリーム・トラックが巡回してきた。
「アイスクリーム・トラック」は、文字通りアイスクリームを積んで売りに来るトラックで、メロディーを流しながら住宅地などをゆっくり走っていく。
日本で言えば、石焼き芋売りが巡回してくるようなものでしょうか。
最初の頃、珍しかったし子供も小さかったので、「あっ!来たっ!」と見つけると、急いで追いかけてアイスクリームを買ったりした。
そのアイスクリーム・トラックも、数年後には家の周りには来なくなった。
このあたりを周っても、あまり顧客を見込めなかったのだろう。
そうして見かけなくなっらアイスクリーム・トラック。
最近、うちのそばに定期的に出没しているのを見つけた。
それは、中学校のすぐそばの交差点の一角。

(写真↑は、以前信号待ちで前に止まっているのを写真に撮っていたもの。中学校の前に来るのは、これと同じトラック。)
学校から出てきてすぐのところに、下校時間を狙ってアイスクリーム・トラックが停車している。
近所の徒歩下校の子供たちがその周りに集まり、アイスクリームを食べている。
ほほ~、商売に良いスポットを見つけたな~。
と、ここでふと思った。
私が中学の頃は「登下校中には買い食い禁止」なる校則があった。
多分、息子の学校にはそのような規則はない。
スクールバスでの下校なら、確かバス内の飲食は禁止だったとは思うけど・・・と考えて、「登下校の買生徒が登下校に買い食いに寄れる店など無いので、そのような校則を作る必要も無いのだと気がついた。
買い食い規制がないのだから、親が子供にお金を持たせるOKを出したなら、校門を出たところでアイスクリームを食べようが、学校から文句を言われることはないことになる。
このトラックの存在を見ている息子。
先週の金曜、「5ドルくれない?」と言ってきた。
「週末だし、S君とアイスクリーム食べて歩いて帰りたいから。」と。
そうだね、8年生になって勉強も大変になってきたし、週末にアイスぐらい楽しみたいよね、と5ドルを「落とさないようにここが良いでしょ」と息子が既に履いているカーゴパンツのサイド・ポケットに入れた。
その日・・・
予定どおり、ゆっくり徒歩下校してくるらしい息子を待った。
が・・・遅すぎ。
アイス+徒歩で考えても遅すぎる、と気になりだしたときに気が付いた。
「あっ!今日はでかい楽器を持ち帰らなきゃいけない日だった。あれを持って全行程を徒歩帰宅するのは無理」
急いで車で学校までの道を走ってみるが見つからず。
どうやら2人を見過ごして通過(2人は私が通過していくのを見ていたそうで・・)してしまって、学校まで行ってユーターン。自宅近くに戻ってきてようやく2人を発見した。
結局・・・
S君とアイスクリームを食べ楽器運びを手伝ってもらうという予定で、アイスクリーム・トラックに到着した息子とS君。そこで息子はお金を発見できず。ズボンに入れたのに、カバンの中ばかり隅々まで探したらしい。
アイスは2人ともあきらめるしかなかった(息子がおごる予定だったからS君も持ち合わせはない)うえ、スクールバスはもうとっくに学校を出ているので、重い楽器を運んで徒歩で帰るしかないという状況になってしまった。
(ちょっと考えれば、学校に戻ってオフィスで電話を借りて迎えに来てと言えば歩かなくても済んでんだけどね。)
ありがたい事に、S君は文句も言わずに息子を助けて一緒に楽器運搬をして歩いてくれ、無事帰宅。
情けなや、息子、アイスクリームの買い食いすら、できなかったのか・・・
やれやれ・・・
こんな息子を見捨てなかったS君、ありがとね。
本日のピンズは缶バッジで、バヤリース・ドリンクの缶バッジ。
ありゃ、私も、アイスクリームのピンを出す事も、できなかったわ。
BGM「夏のお嬢さん」by榊原郁恵
♪アイスクリーム ユー・スクリーム