
今年もやってきた、ディストリクト・バンドのオーディション。
地域の中学校からブラスバンドの生徒が集まり、オーディションで上位の者達が地区選抜バンドのメンバーに選出される。
更に、地区バンドに選ばれた中でも上位半分が、次のリージョナル・バンドのオーディション参加にコマを進められる。
今年の息子は、バリトン・サックスとアルト・サックスにエントリー。
バリトンは現在担当しているので、毎日授業でも練習しているし、個人レッスンの先生にもファースト・チェア(1位)も夢ではないと、かなり良い評価を受けていたらしい。
バリトンに自信があるものだから、アルト・サックスはほとんど練習していなかった。
サックス部門は、テナー、バリトン、アルトの順番で行われる。
テナー終了後、まずはバリトンのコールがかかり、控え室に鳴っているカフェテリアからオーディション・ルームへ出て行った息子。
バリトン・オーディションが終わり、カフェテリアに戻ってきた表情を見て「あ、だめだったの?」と直感。目が涙目っぽくて、表情が強張っている。
「楽器が壊れて、使い慣れたのじゃなくて別の楽器を使わなきゃならなくなって、上手い演奏ができなかった。多分、ダメ。」という。

後で聞いた話で補うと、バリトン・サックスは学校の物を使うのだけど、J君が先に使って演奏し、息子に渡した。息子の順番が来て演奏をし始めようとしたら壊れて音が出せない。
こういう場合、直接説明すると審査員に声でどの生徒が演奏しているのかついたての向こうでもわかったしまいかねないので、係員にそっと耳打ちする事になっている。係員が本当に楽器の不備か、生徒が緊張して吹けないのかを楽器を試して楽器がおかしいと確認。演奏順を変更をジャッジに伝え、先生を探し対処をするように促される。先生を見つけ出し出された対処は、仕方ないので学校のもうひとつのバリトンサックスの方で急遽演奏すること。普段使っていない楽器で、キーの重さなどが微妙に違うので、思ったように演奏できなかったというのだ。
予想外にバリトンで落ちた!と確信した息子、練習をサボってたアルトをものすごい急いで取り出して、バンドのサックス仲間と肩を並べ真剣に練習を始めた。

ほら~、バリトンに自信があるからとサボってたおかげで、両方ともダメになったかもじゃない。
だから、皮算用しないでアルトも練習しておけと言ったのに。
昨年はアルトでディストリクト・メンバーに選ばれ、リージョナル・オーディション進出までも勝ち取った息子。
今年はガッカリな結果に終わりそう。
でも、これが苦い経験になって、今後はちゃんと用意するようになれば、良い人生のレッスン。
かえって、ここでこういう結果になったのは良かったような気がする。
練習時間もほとんどないまま、アルト・オーディションのコールがかかり、控え室を出て行った息子。
まだアルト・オーディション進行中に、控え室のカフェテリアでは、バリトンの結果が到着し、張り出される。
あれ?
息子、バリトンでなんと1位でディストリクト・バンドのファースト・チェア獲得・・・
もちろん、リージョナル・オーディションへの進出も果たしてる。
なんで?
ダメだったんじゃないの?
アルトが終了し、控え室に戻ってきてバリトンの結果を知った本人も、「アクシデントで同情票が入ったのかなあ~?」と不思議そう。
で、アルトの方も「失敗した」と言って「落ちたはずだから結果発表を見るまでもない」と、そそくさと帰宅。
気になった私が、帰宅後一人で結果の張り出しを見にでかけたら・・・
アルトでも4番でディストリクトのメンバーも、リージョナルへの進出も獲得していた。

結局、バリトンでもアルトでも良い結果に終わったにもかかわらず、納得した演奏ができなかったことで、全然嬉しそうでない。
心の満足って、勝ち負けじゃなくて、自分で納得のいく演奏ができたかなのよね。
でもとにかく、ファースト・チェアだし、バリトンとアルトでリージョナルへダブル進出(権利は2つ獲得したが、リージョナルのオーディションはどちらかを選んで1つしか受けられないのだけれどね。)は祝福して良い結果。オメデト。

(オール・ディストリクト・バンド章。バリトンとアルトのダブルGET。奥のひとつは昨年度のメンバー章。)
本日のピンズは、バリトン・サックス1位を祝して、「1」をかたどったオーストラリアのお土産ピン。
毎年オーストラリア旅行をされるW先輩からのお土産でいただいたもの。
BGM「VANESSA」m-flo loves Bloodest Saxophone
♪バリトン・サックス We got ユキさん