
7月7日。7の日に生まれたので「七生」と命名されたという塩野七生 さん。
イタリア、ローマの歴史小説を書かれている塩野七生さん。
私はというと「歴史」は大の苦手。
その時代がなにやら、さっぱりかみ合わず、学生時代は世界史、日本史ともにいつも頭を抱えていた。
なので、塩野さんの本を自ら手にすることはなかった。
そんな私、苦手な歴史モノに自ら手を出すはずはないのに、偶然の出会いで塩野さんの本を読み始めて「面白い~!」と、すぐに塩野さんのファンになった。
そのきっかけは、図書館のセール。
以前住んでいたカリフォルニアのシリコンバレーのとある図書館。
ここで毎年、図書館に寄付された中古本のセールが開催されていた。
週末に屋外にずらりと本が並べられて売り出される。

シリコンバレーは、駐在として一定期間滞在する日本人の方も多い。多分そういう方々が、帰国時に荷物を整理するのに図書館に寄付されていったのだろうと思われる日本語の本もあるのに気が付いた。
村上春樹さんなど以前から好きな作家の方の本を数冊買う。
その翌日、セールが終了する直前に、「バッグセール」というのが始まる。
これは、2ドルで紙袋を買えば、そこに詰め放題で持って帰れるもの。
何かあればもうけもの~気分で紙袋を買い、日本語が読めるなら何でもいいと、日本語の本を紙袋に詰め込む。
寄付された日本語の本、選択の余地はなくあるものを詰めるという事なので、普通なら自分は手を出さないような本が手元にやってくることになる。
塩野七生さんの本2冊がそこに含まれていた。
そうして「どんな本なのかな~」と読み始めたら、なんとも面白い。
例えば、エッセイ本で、ローマの歴史を書くにあたって当時の椅子を研究史に博物館に出かける。座り心地が知りたいという動機であったかと思うが、結局当時の椅子を再現するものを作ってしまうに至る。などという逸話があったと記憶しているが、そういうマニアックな姿がなんとも面白く語られていて、すっかり塩野さんファンになってしまった。
自分の選択の余地がない「日本語の本」としてアメリカの図書館セールで手にした本。
こういう偶然で、であった塩野七生さんの本。
「選択の余地が無い」状況も、いいものかも知れない、と思った嬉しい出会いだった。
本日のTシャツは、イタリアに住み、ローマの歴史を情熱で書き続けられてる塩野七生さんの誕生日を祝いながら、イタリアものTシャツ。
これは、97年にNYCマラソンに行った時にイタリアのランナーとTシャツ交換して手に入れたもの。