
まだまだ「昨日生まれた」ような気もする息子が、「そういう説明」を受ける年齢に達した。
学校から「5年生を対象に、思春期の変化についての説明を行います。子供たちに見せるビデオはウェブサイトでご覧いただけます。また父母向けの説明会を設けますので、内容を把握した後お子様をこの説明クラスに参加させたくない方は申し出てください。」

ああ、そういえば私がそういうのを学校で受けたのも確か5年生。
なのだけど、私の時は確か女子だけ呼ばれた記憶があり、男子にそういったものがあったような気がしない。
更に、私が5年生だったのははるかはるか昔。その上ここは米国。
息子には説明を受けさせるのは決めていたが、実際どこまで説明があるのか知るために父母説明会に出向いた。
到着すると、父母は私だけ。
説明担当の校医さんが「私はここでこのプログラムを84年からやっているのですけど、その頃はほぼ全員の父母が説明を聞きにいらっしゃいました。それが毎年人数が減っていきましてねえ。」
校医さんは日本にいらした事があるので、日本の話などをしながらもう少し待って見る。
結局あと5名のお母さんが参加に来られた。
最初に話をきりだしたAさん。「ウェブで共学用のビデオを見たが、あそこまで説明するのかとびっくりした!」
えっ?男子と女子は別れるんじゃないの?私は息子が見る男子用ビデオを確認したんだけど・・・

校医さん「共学用は使いませんが、説明を始めますと、1日目は男子と女子に別れそれぞれのビデオを見ます。そして2日目は男子と女子に別れて異性のビデオをみます。」
え~っ!男子も女子の変化を習うのか~!
そういうのは想像していなかった私はビックリ。そして・・・
「3日目は男女一緒にSTD(行為でうつる病気)について説明を受けます。」この説明は、テキサス州の法律でやらなければいけないことになっているのだそうだ。
ここで父母から質問「行為の説明なしに、どうやって病気感染に説明をするのか?」
行為そのものの説明までは及ばないらしいが、ビデオでは「体が<複製>の用意が出来てくる」とは説明しているので、ずばり「赤ちゃんはどうして作られるのか」の質問が子供達から出ればどう答えるのか?」などといった質問が続く。
実際子供達の疑問は広がるようで、「双子はなぜできるのか?」「母親は赤ちゃんがおなかにいるから自分のだとわかるけど、父親はなぜそれが自分の子供だとわかるのか?」(校医さんは「それはお父さんはお母さんと結婚したから赤ちゃんは自分のだとわかる」と答えていたそうだが、未婚のシングルマザーも増えた昨今、この答えが使えなくなったそうで。。)などに加え今の時代「ゲイ」などに話が及ぶ可能性もあるとのこと。
そして4日目は、男女で感想の話し合いをゲーム形式で。
だいたい「女子の変化の方が大きくて不公平!」という話になるので「ではお互い自分が体験する変化を箇条書きにして数えて見ましょう。」という対戦ゲーム(?)に持ち込むのだそうだ。
そしてこれをやると不思議なことに毎年男女同数の変化が挙げられて「引き分け」になるのだとか。
とにかくこの父母説明の趣旨は、内容を理解した上で、違う形で自分達で教えたいという親は学校のプログラムを辞退するという決定をするため。
実際、家庭の宗教にのっとった形で自分達で説明する方向に積極的検討な方もいらした。
校医さんは最後に語られた。
「プログラムの中心はあくまで「子供の作り方」ではなく「体の変化」です。声変わりや体型、体質、感情の変化を中心に説明するものです。」

「重要なのは、子供たちが性、喫煙、飲酒、ドラッグなどの誘いにさらされる可能性の年齢になった今、この学校での説明のあと、それぞれの家庭で各家族の価値観、子供達に自分の価値を教える事で、子供たちに判断ができるように対話をすることです。」
そうだなあ~。結局重要なのは親、家庭での教育だなあ~。
父母説明会のあと、見ていなかった女子用ビデオも見ておく。
う~ん、男子ビデオは多分大丈夫だけど、女子のは男子には驚きかも。
(異性の変化も理解することで、たとえば女子の服にシミを見かけたら、騒がずからかわず、さっと自分の上着を脱いでかけてかくしてあげられるよう男子になりましょう、というような相互理解が狙いなので納得なのだけど。)
結局、実際は1日目に「僕たちは大人なの?子供なの?というテーマのビデオが加えられて5日間のプログラムになったようだ。
加わったビデオは、親が「もう子供じゃないからあなたの部屋のペンキ色、あなたが決めなさい」と宣言。子供が「壁は真っ赤で天井は黒にする」と言うと「それはダメ!」と親に言われ「もう大人だから私が決めていいと言ったしゃない!」というエピソードから「親との間で矛盾や葛藤を感じる事が増えるかもしれないという思春期の問題が説明されたらしい。
というわけで、ただいま息子、この5日間のプログラムの最中。
昨日の「女子の変化」を見てどうだったか聞いたら「知らないことばかりだった。」と。
そこからいろいろな話(中学でも喫煙などの誘いがあったりするかも、どうする?などという話など)ができて良かった。
本日のTシャツは、制汗デオドラントの絵が描かれた「HOT TO TROT」5km大会のシャツ。
息子の学校で子供たちが見るビデオ、提供しているのは制汗デオドラントやサニタリー製品を扱っているメーカーなのだ。そしてビデオでは「皮脂の分泌が盛んになるので毎日ジャワーを欠かさず清潔に!」などと説明があり、このプログラムを終えた子供たちに、制汗デオドラントをお土産に配る用意もできるようなのだ。

息子が「ワキの下のエチケット」な年齢になったのか~。
実はそうなのだ。
この説明があるという学校のお知らせを受け取る前の週、ラクロス練習後、息子のワキあたりから今までにはなかったにおいがするのに気が付いた。
それは、まさしく私の弟が中学生・高校生の頃の彼の部屋に漂っていたにおい。
お~、息子が「ティーン」の仲間入り???と半信半疑で驚いていた矢先だったのだ。
思春期の変化を学び、制汗デオドラントを使用する息子。。。かあ~。
自分がそういう年齢を過ごしてきたより、親としてそういう時期を迎える方がある種インパクトが大きいような気がしないでもない。
追記:
5日間のプログラム終了で、息子、お土産のデオドラントを貰って来ました。

人生初のデオドラント~。(赤いのがそれ)
男子用と女子用がそれぞれ配られ、「女子の物のほうが良い香りがする~」などと言い合ったようです。
男子用のこれはムスクの香り?女子のは「ココアみたいな香り」だったとか。