ニューヨーク・ポリスT | 今日もTシャツ@TEXAS

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コレクションのTシャツのリスト作りも兼ねて毎日1枚づつにスポットをあてて掲載。Tシャツ掲載終了後はピンズのコレクションへと移行、続いて「貯まってしまったこんなもの」を掲載しつつ、日々の呟きを。→ほぼTシャツブログに戻りました。基本ランニング関連です。

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昨日は911の追悼がニューヨーク、ペンタゴン、ペンシルバニアなど各地で行われた。

オースティンでも市の追悼イベントなどが行われたが、その中でこれからも続けて欲しいなあ、と思うものがあった。
それは、オースティンの消防隊が、NYで救助に駆けつけ命を落とされた消防士たちを偲んで、911の直後から毎年9月11日に行っているという追悼。
消防隊が消火訓練を行う「トレーニングタワー」という建物があり、毎年9月11日にそこに集まった消防士たちは、911の当日、NYの消防士が救助のためにWTCのビルを登っていったの再現し、同じ階数を歩いて登るのである。

WTCで亡くなった消防士たちの名前が刻まれたドッグタッグが用意され、数名分ずつがキーホルダーにつけられる。参加する消防士たちは、そのキーホルダーを一つづつ手渡せれ、消火服を着込み、肩に消化ホースを担ぎ、そしてそのキーホルダーを身につけて黙祷の後、階段を登っていく。
登り始める前に、タグに刻まれた名前を読みながら、亡くなった彼らに思いをはせる姿。
参加者の思いはそれぞれだが、みんなWTCでの事、消防士としての事、さまざまなことを階段を踏みしめながら考えるという。

現場となった場所に遺族を始め人々が追悼に集まり、犠牲者全員の名前が読み上げられる式典も大切だが、遠く離れたオースティンで、消防士たちが消防士として追悼イベントが毎年の伝統になっているというのも、心のこもった追悼である。

追悼の記事のタイトルに「Nation remembers 6th anniversary of 9/11」というように「remember」がよく使われる。
犠牲者遺族のインタビューでも「911があった事を忘れないで欲しい」と語っていた。
関係者にとっては特に、起った事が風化して忘れ去られてしまうのは悲しいことである。

中島みゆきは「傾斜」という曲でこう歌う。
♪忘れっぽいのはすてきなことです そうじゃないですか
♪悲しい記憶の数ばかり 飽和の量より増えたなら
♪忘れるよりほかないじゃありませんか

これはある意味生きる術として忘却の利点をついている。
人は時間とともに忘れてしまったり、記憶が徐々に薄らいでいったりする。
それが事実だからこそ、大切な人を亡くしてしまった人たちは思うのであろう。「忘れないで欲しい」と。

本日のTシャツは、ニューヨーク市警察のTシャツ。
といってももちろん本物ではない。米国で「NYPDブルー」というNY市警を舞台にしたドラマがヒットした頃、ニューヨクを訪問した際にお土産店でニューヨーク土産に購入したもの。
WTCでなくなった消防士と警察官の方々を偲んで、年に一度、9月11日にこれを着ている。
数年前、ちょうど小学校に行く日にあたってしまったのでそのまま学校に行ったら、息子の同級生の男の子が全く同じシャツを着ていて「おそろい」になってしまったのが微妙に恥ずかしかったりしたこともあったが。

WTCで亡くなったNY市消防士:343名、NY市警察官23名。
(*この他にプライベートの救急士や市警でない所属の警察官な方々も犠牲になられている)