
仕事部屋のデスクと椅子を買い換えた。
今まで使っていたものは、夫が日本で勤務していた会社でいらなくなったものをいただいたものだった。それが日本からカリフォルニアを経てテキサスまで一緒に移動してきた。
デスクが2つ、デザインも色も全く違うものが並び、見た目はひどかったが使用には問題はなかった。
問題になったのは椅子の方だ。これも日本の会社のお下がりなわけだが、長時間座ると背中が疲れる。ずっと背中に優しい椅子を買おうと思いつつ、背中によさそうなものは価格も高く、何かのついでに買いに行くという気軽さではない。「買おうね~」「そうだね~」と1年以上そのままになっていた。
郷を煮やしたのは、クリスマスに我が家にやってきた義母。いつまでも座り心地の悪い椅子のままなのに気が付いた彼女は、すぐに電話帳をめくり、目をつけていた椅子のオースティンでの販売代理店に電話をかけた。「クリスマス・プレゼントとして買ってあげるから」と。
欲しかった椅子は、ハーマン・ミラー社のアーロンという椅子。オフィス用椅子としては高級椅子。販売代理店は、家具を売るのではなく、企業のオフィス設計をメインとするところだった。
そこのオフィス全体がショールームを兼ねている。椅子が見たいとなると、社員の座っているものを持ってきて見せてくれる。
椅子は人間工学に基づいて設計されていて、たとえばお尻から膝の裏までの長さによってもサイズが用意されている。その小さな違いでも、座り心地はずいぶん違う、今までの椅子だと、お尻が背もたれに届かず、背中を背もたれにゆだねると腰の後ろ部分に空間ができ、猫背な形になっていたのが、腰の部分がしっかりサポートされる。
オフィスの椅子のよしあしなど気にしたことはなかったが、アーロン・チェアの説明を聞いて「奥が深いものなのだなあ」と感心した。椅子はアーロンで決まった。
夫がついでにデスクも買い換えようと言い出し、結局、部屋は6畳くらいの部屋だというのに、設計担当がつき、デスクのデザインなどの希望を出した後、レイアウト図が作られ・・と申し訳ないくらい本格的な作業になってしまった。
デスクはデザイン、色、パーツのデザインと色、などが豊富に用意されたなかから好みを組みあわせていく。結局、クリスマスに始めた「仕事部屋改造プロジェクト」は、ようやく今週にデスクと椅子の納品施工が完了した。
搬入のために運び出した本棚などはまだ戻されていない。本棚の色が合わなくなったので、ペンキを塗り替えるか検討中。部屋が完全に落ち着くまでまだまだ時間がかかりそうだ。
本日のTシャツは、ちょっと椅子ちがいではあるが、「ベンチ」。
全面にベンチの絵が、裏面に「座って達人から学べ」と書かれている。一種のジョークのようなものだが、子供達のスポーツを見ていると、交代要員の子供達はちっとも試合を見ないでふざけたりしている事も多い。そういう時に使えるかな、と買ってみた。
余談だが、さっさと椅子を買いに行動に出た義母。のんびりタイプの夫からは想像できないテキパキタイプ。この椅子がプレゼントになったクリスマス、他にもプレゼントはあった上に椅子が追加だったのだが、更に追加があった。
義理の母が来るのだ。私はそれなりに掃除もしたつもりだったが、忘れていた部分があった。それにやはり義母は気が付いた。「窓掃除いつしたのかしら?」次の瞬間、彼女は電話帳をめくり窓清掃の会社に電話していた。数日後、我が家の窓は全て清掃会社によって4時間くらいかけてピカピカに磨かれたのだった。