
4月16日月曜日。今年のボストンマラソンの日だ。
通常マラソン大会は週末に行われるものだが、ボストンマラソンは毎回月曜日に開催される。ボストンのあるマサチューセッツ州のみの祝日に開催されるのだ。
ボストンマラソンは、今年で111回目を迎える、歴史ある大会。
最初の70年は女性ランナーの出場が認められていなかった。1967年に、女性ランナーが登録氏名をイニシャルで提出したため、大会側が気がつかず、歴史上初女性完走者となった。それが女性でもフルマラソンは走れる証明となり、その後マラソン大会に女性ランナーが参加できるように門戸をひらいたパイオニアとなった。そんなことも長い歴史の中では起っている。
このボストンマラソンの「顔」だったのが、ジョニー・ケリー氏。
ジョニー・ケリーは、ボストンマラソン出場61回、完走58回、そのうち18回が10位以内でゴール、という記録の持ち主。
50才でも、3時間以内で完走し9位に食い込んでいるのも驚きである。彼の最後のボストンとなったのは92年、84才の時で、5時間52分でゴールしている。ケリー氏は04年に97才で他界された。
同じ大会に61回出場する、というのは、どう計算しても私にはすでに不可能だ。大会が年に数回開催されるなどというのでない限り。
私は一度「生ケリー氏」にお会いしている。91年のニューヨークマラソンの大会本部となっていたホテル前でのことだ。
53年のボストンマラソン優勝者である山田敬蔵さんに会いにいらしたケリー氏。たまたまそこに居合わせた私は、超人ケリーさんにあやかりたいと、一緒に写真を撮らせていただいた。
その半年後に、ケリー氏が最後のボストンを走られたことになる。
今日のTシャツは、96年の「ボストンマラソン100周年」記念Tシャツ。
100回大会を走られたランナーUさんから、お土産にいただいた。
このシャツのプリントのランナーが誰なのか、実は良くわからない。記念大会のプリントであるから、ジョニー・ケリー氏の若い頃の走る姿ではないかとは想像はするのだが、正解なのかはわからない。
ちなみに、このシャツはADIDAS製で、首周りのカットなど、着心地が良い。
写真に一緒に写っているモノクロ写真は、ニューヨークマラソンのEXPO会場で、ケリー氏がサイン会をされていていただいたもの。91年、ジョニー・ケリー83才、60回目のボストンをゼッケン60番で走られた時の、スタート地点での勇姿である。