妄想小説 ジヨン短編① | BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

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楽しみましょう*\(^o^)/*

おそらく、ほぼ小説w









部屋の中には聞き慣れた自分の歌声が響いている。俺はソファに座り自身の右側に感じる温もりに視線だけを向けた。彼女は俺の隣で満面の笑みを目の前の大きなテレビの液晶に向けている。そこに映るのは大観衆の中で歌う俺の姿。

「なぁ」

そう彼女に声をかけるが、画面の中の"俺"に声援を送るのに夢中でまったく聞こえていない様子だ。
俺は鼻から小さく息を吐き、隣で食いいるように見ている彼女の顎に右手を添えてぐいっとこちらに顔を向かせた。
彼女は驚いたように目を見張って俺と視線を合わせた。

「どうしたの⁈ジヨン、ビックリするじゃん!」

「…さっきから呼んでんだけど」

「そうなの?ごめん、あんまりにもジヨンがカッコよくて夢中になってた」

そう言ってニカッと小さな歯を見せて笑い、彼女は再び画面の中の"俺"へと視線を戻した。
そんな彼女を可愛いと思う反面、胸の中にもやもやとした黒い物が広がるのを感じた俺はテレビのリモコンを手に取りそれを"俺"が映っている黒い箱へと向けた。さっきまで彼女を夢中にさせていた"俺"はブチンという音と共に彼女の目の前から消えた。
俺の心は妙な達成感で溢れ、それと同時に彼女が俺の方へと素早く視線をを向けた。

「…………」

無言で俺を見つめる。
だけどその瞳は俺に『何で消したの?』と言わんばかりに恨めしそうに訴えかけている。

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「……何?退屈だったから消した」

彼女の心の中を見透かしたような俺の返事に彼女は不満げに唇を尖らせていた。

「今からジヨンがカッコいい所だったんだよ⁉︎」

「知らねぇよ、てかさ…」

俺はそう言いながら彼女の首の後ろに腕を回し、ぐっと自分の顔を近づけた。

「俺、ここにいるんだけど」

そう言うと彼女は一瞬驚いた表情をして、まっすぐと俺を見つめ返しその大きな瞳に俺を映した。そして、そのまま両手で俺の頬を包むとまるで少年のような笑顔を浮かべて「へへへ」とだらしなく笑っていた。何だかそれが無性に可愛くて、これくらいの距離なんていつもの事で平気なはずなのに、俺の心臓は急に脈打ち始めうるさいくらいに俺の肋骨を刺激した。

「何それ、キモい笑い方」

俺の照れ隠しの言い方にも微動だにする事なく彼女は俺に笑顔を向けている。

「ジヨン、ヤキモチ妬いたんでしょう?」

「はぁ⁉︎バッカじゃねぇの⁉︎」

そうは言ったものの内心、図星を突かれて俺は自分が耳まで赤くなっている事を体感する温度で感じ取っていた。

「耳まで真っ赤〜可愛い♫」

クスクスと笑う彼女は俺の耳を指で摘みご機嫌に触り続けていた。

ー何か、悔しい。

心の中で沸々と彼女への復讐心がこみ上げてきた、俺は彼女の腰をぐいっと自分へ引き寄せソファへとその体を押し倒した。ギシッと言う音と共に俺は彼女に跨り、その驚きを隠せていない瞳をじっと見つめ、片方の口角を上げて笑って見せた。俺がいつもこの表情を浮かべると彼女は決まって弱腰になるんだ。

「っ…どしたの?」

俺はゆっくりと顔を近づけ、彼女の耳朶を優しく噛んだ。彼女の体がピクリと反応する。

「俺の歌声が好きなんだろ?」

俺はわざと彼女の耳へと息をかけながら囁くように話した。

「っ…や、だ…そこで、喋んないでよ…」

「ここじゃねぇと聞こえねぇだろ?」

「そんな…事ないっ…聞こえるし!」

必死にそう答える彼女を無視して俺は自分の唇を彼女の首筋に這わせていった。

「今から俺の声、嫌ってほど聞かせてやるから、その代わりお前もちゃんと俺に声…聞かせろよ?」

少年のように笑うこいつが可愛くて、俺のやる事全てに反応するこいつが愛おしくて、俺はどんどんこいつに溺れていく。

画面の中の自分にさえ嫉妬する自分も、構ってもらえなくて子供みたいに拗ねてる自分もそんな風に彼女に夢中になっている自分も、悪くない。

「…悪くねぇな」

「…っえ?何が?」

「秘密」

そう言って笑い俺は惜しむ事なく彼女の体に愛を注いでいった。




fin.







※画像はお借りしました。