if you 第31話 -完- | BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

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妄想小説あり、イラストあり、日常あり、ダイエットありの、何でもありの何でも日記っ♪(´ε` )

楽しみましょう*\(^o^)/*

おそらく、ほぼ小説w




扉を開けると彼らが出で来るのを待ちわびていたファン達が悲鳴にも似た叫び声をあげている。ジヨンは口角をあげて彼女達に手を振りその人垣の奥に用意されていた黒塗りの車に乗り込んだ。

「ヒョン、お疲れさま」

車の奥からテソンがひょこっと顔を出し俺にに笑顔を向けていた。

「うん、お疲れ」

ジヨンはテソンの方へと首を向けて、気恥ずかしそうな表情を浮かべていた。

「テソン、ありがとな。たくさん心配かけたみたいで」

俺は気持ちを言葉にするのが苦手だ。
言葉足らずだったが、テソンはすぐに何の事を言っているのか理解している様子だった。そして車の後部座席に座り直しながら答えた。

「全然…僕には何もできなかったから」

「そんなことねぇよ、感謝してる」

俺はぶっきらぼうにそう言うと視線を走り始めた車のフロントガラスに向けた。言い方こそ素っ気なかったもののテソンはジヨンの言葉に込められた思いに胸が熱くなり泣きたいのか笑いたいのか自分でもよくわからない感情を表に出さないようにぐっと堪え小さく「うん」と頷いていた。





* * * *




俺はホテルのエレベーターの前で腕を組み落ち着きなく右手の中指で自分の顎の辺りをトントンと叩きながらエレベーターが降りて来るのを待っていた。

「遅せぇ」

さっきまで顎の辺りを触っていた手で今度はエレベーターの上ボタンをカチカチとせわしく何回も押し続けていた。
ようやく来たそれは焦ったくゆっくりと扉を開け俺を招き入れようとしていた。その開く動作すら待ちきれなかった俺は両手で扉をこじ開けて自分の体を無理矢理にねじ込んだ。
ゆっくりと目的の階へ上がるこの狭い箱の中で、俺は焦れ焦れとした感情を抑えるように下唇を噛んで目の前に表示される数字を凝視していた。
俺は一秒でも早く確認したかった。
さっきまでの出来事が、夢なんかじゃなかったって。あの温もりは俺が作り出した幻なんかじゃなかったって。

『じゃあ、ホテルで待ってる』

さすがに一緒に会場を出るわけにはいかなくて、俺はスタッフにこのみをホテルまでおくらせた。
”待ってる”確かにそう言ったこのみの言葉を確かめたくて、幻なんかじゃなかったって事実が欲しくて俺は静まり返ったホテルの廊下を馬鹿みたいに音を立てて走っていた。
部屋の前に着きドアノブに手をかけると俺はあがる息を整えるように大きく息を吸い込みそしてそれをゆっくりと吐き出した。それでも俺の心臓は鼓動を速めたまま緩む事もなく、その胸の鼓動が一気に俺の緊張を増幅させていった。

ゆっくりと扉を開けると目の前に広がる夜景を食い入るように見つめている小さな後ろ姿に視線を奪われた。ガチャリと扉が閉まる音がして、窓の外を見つめていた彼女の体がゆっくりとこちら向く。

「おかえり」

そう言って少し照れくさそうに微笑むこのみに俺は被っていたハットを脱ぎながらゆっくりと近づいた。

「…ただいま」


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俺はこのみの腰に右手を添えるとそっと自分自身に引き寄せた。このみは俺の腕の中にすっぽりと収まり大きく息を吸った。このみの首筋に顔をうずめて「何してるの?」と尋ねればこのみも自身の顔を横にずらして俺の首筋にその小さな唇を押し当てた。その温かく柔らかな感触に俺の全身がビクリと波打った。

「ジヨンの匂いがする、好き…」

俺がこのみの体を抱きかかえるとこのみは小さな悲鳴をあげた。

「ちょっジヨン!降ろしてっ」

慌てふためくその声すら俺の理性を崩す要因の一つでしかなかった。

「今から抱く」

抱えているこのみの瞳をまっすぐ見つめてそう言うとこのみは耳まで赤くして、小さく頷き俺の首に両手を巻きつけ、その真っ赤になった顔を再び俺の首筋に埋めた。

寝室についた俺は抱えていたこのみをそっとベットの上に下ろすと着ていた上着を脱ぎ床へと放り投げた。そして、ベットの上に座り俺を見つめているこのみに手を伸ばすと、その体を勢いよく押し倒した。

「悪りぃ、優しくできないかも」

このみは下から俺を見つめると泣いてるのか、笑っているのかわからない表情を見せて俺の頬を優しく撫でてくれた。

「優しくなんて、しないで…ジヨンの全部を見せて…」

そうこのみが言い終わるのと同時に俺は自分の唇でこのみの唇を塞いだ。

遠くの近くで懐かしいこのみの声がする。熱が溶けて交ざって体が自分のものじゃなくなっていく。
こんなことって…止まらない。
もっと奪いたい、もっとこのみが欲しい。

俺はもう考える事を放棄して、ただただ、貪欲になっていく自身の体をこのみの中に深く深く鎮めていった。




* * * *



行為の後、ぐちゃぐちゃになったシーツの上で疲れ果てたこのみは俺の腕の中で小さな寝息を立てている。
俺は眠っているこのみの髪をそっと一束掬い取り自身の唇を押し当てた。

「無理させて、ごめんな…」

俺は今までの時間を埋めるかのように何度も、何度もこのみを求め続けた。このみも俺の全てをその小さな体で受け止めてくれた。

「…っん…」

このみの瞼がゆっくりと開きその瞳が俺を映す。

「起こした?」

「ううん…ちょうど起きたの」

このみはまだ少し眠たげな瞳を擦りながら俺に向け笑って見せた。

「もう、朝になるね」

そう言われて俺は窓の外に視線を向けた。
カーテンの隙間から白んだ空が見えた。
朝が来る。

また新しい一日が始まる。

俺は隣に座るこのみを見つめた。
このみは優しく微笑み俺を見つめ返す。
これからまた、新しい二人が始まっていく。

「このみ、サランへ」

このみの瞳がさらに細くなり、頬を一筋の涙が流れ落ちる。俺はそれを指でぬぐってこのみの唇を自分の唇でそっとなぞった。



先のことはいつだってわからない。
だから今、俺のありったけで君を想おう。
この時間を抱きしめていればきっと、いつかの未来も怖いことなんて何もないから。










if you 第31話 -完-








※画像はお借りしました。