大っっっ変にご無沙汰しております![滝汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/039.png)
![滝汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/039.png)
のんさんでごさいます
久しぶりに小説の続きが書けましたのでアップします!!!!!←勝手にしなよwww
ちょっとずつ隙を見て書いております![ニヤニヤ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/037.png)
![ニヤニヤ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/037.png)
相も変わらず亀更新ですが、お付き合い頂ければ幸いです![ちゅー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/046.png)
![ちゅー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/046.png)
![ちゅー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/046.png)
![ちゅー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/046.png)
では、お付き合い頂ける方だけ
どうぞ〜♪( ´▽`)←何その限定方式笑
仕事も終わり、私は冬枯れの街路樹の下を月の光を浴びながらいつものように歩いて帰路についていた。
街はもう冬色に染まってキラキラと光り輝いている。私は街路樹の隙間から夜の空を見上げた。星は一つも見当たらない。月の輝きが強過ぎるせいで星の光が私の元まで届かないんだ…そんな月を見て彼の事を思う。
彼もあの空に浮かぶ月のような人だった。
他のどんな人よりも一際強く光り輝いていた。そして、柔らかなこの月の光のように優しく私を包み込んでくれる。
優しくて温かくて、でもどこか悲しげで色んな表情を持っているそんな人だった。
私の吐く息が白く染まる。
いつの間にか彼と離れてからもう一年の時が過ぎていた。
別れてからも芸能人の彼の事は嫌でも耳に入ってきて、その中でもInstagramの写真流出には心を抉られた。二人写っている写真を見てまるで心臓をぎゅっと握られている感覚で苦しくなった。流れ落ちそうになる涙を必死で堪え奥歯を噛み締めた。
私には泣く権利なんか無い。
ジヨンを守るために私自身が彼と離れる事を選んだのだから。
だけど心が苦しくなる反面、彼を支えてくれる誰かがいてくれてよかったと思う自分もいる。あんな状況で一人だったら繊細な彼の心は壊れてしまう…だから側にいてくれる人がいてよかった。
…できれば私が支えていきたかった。
…私が側にいたかった。
だけど、それは出来ない事だから…
「早く、忘れないとなぁ…」
寒空の下、一人呟くとより一層淋しさが募って空を見上げる瞳の端から涙が溢れ落ち私は唇を噛み締めた。
「…忘れたく、ない…」
そう言ってその場にしゃがみ込んだ私は動けなくなってしまった。
今だけじゃない。あの日から私の時間は止まったまま、ずっとあの場所から動けないでいる。
「ダイジョブ?」
その懐かしい言葉の発音に私は勢いよく顔を上げた。
「ジ…ヨン…?」
心臓が痛いくらいに私の胸を叩いている。私を見下ろす影は背後から照らす月明かりのせいで顔がみえない。
「違うよ」
そう答える声は懐かしく温かい気持ちになる。私はこの優しい声を知っていた。
「テソン…」
テソンは私の正面に屈んで私と目線の高さを合わせてくれた。
「ダイジョブ?」
優しい指が私の頬を流れる涙をそっと拭ってくれた。私の冷えた頬にその温かな指の感触がじわりと広がり瞳からは更に涙が溢れ出た。
「…なんで?」
「今、日本でドームツアーしてるから」
涙ながらに問いかけた私の質問にテソンは背中を優しく摩りながら答えてくれた。
「…辛かったね」
全てを知ってか知らずかテソンが私にかけた言葉は私の心の枷を外すには充分過ぎるものだった。私はその場でテソンにしがみ付きまるで子供のように声を上げて泣いた。
* * * *
一頻り泣いた後、私たちはマンションの部屋へと移動した。歩いて移動する際もテソンは私の手をずっと握りしめていた。私が「人に見られるよ」と言って離そうとしてもテソンは「大丈夫」と言って離してはくれなかった。きっと見透かされているんだと思った。私の中にある淋しさや苦しさを…
「…ありがと」
そう呟くとテソンはこちらに顔を向けてあのいつものクシャっとした笑顔で笑ってくれた。それを見てまた、私は心が温かくなるのを感じた。
部屋に着くと少しだけ落ち着いた私はテソンに何か飲み物を用意しようとキッチンに向かった。
「おかまいなく〜」
ソファに腰掛けながらこちらの方へと首を伸ばして笑顔で話しかけるテソンに私は思わずクスリと笑ってしまった。
相変わらずどこでそんな日本語を覚えたんだか。一年前と何一つ変わらない彼に私の頬も自然と緩んでしまう。それと同時に何故テソンが今になって私の元へ現れたのか…テソンの後ろで見え隠れする彼の存在に私の胸は静かに脈打っていた。
「はい」
私は淹れてきたコーヒーをテソンの前に置き、テソンの隣にゆっくりと腰掛けた。何となく自分からは話しかけられなくて私はカップを持ち上げて意味もなくその中身を見つめていた。シンとした時間が私の緊張を更に掻き立てていく。その静かな時間を引き裂くようにテソンが静かに口を開いた。
「…急に来て驚いたでしょ」
その言葉に私は小さく頷くとチラリと視線を彼の方へ向けた。テソンはゆっくりとこちらに視線を向けコーヒーのカップをカチャンと音を立ててテーブルに置き、また言葉を続けた。
「…ジヨンヒョンが…」
テソンの口から出た彼の名前に私の体はビクリと反応して、私はテーブルの上に置こうとしていたカップを誤って倒してしまった。こぼれたコーヒーは四方八方へと薄く伸びてまるで生き物のようにテーブルの上をゆっくりと広がっていった。
「…っごめ…すぐ片付けるから!」
私はキッチンにあるふきんを取りに行こうと慌てて立ち上がったが、それと同時にテソンに腕を掴まれ制しされてしまった。
きっとテソンにも伝わっているはずだ。私の手が小刻みに震えていることが。
まだ、彼のことを忘れられないでいることが。
「大丈夫だから…聞いて?」
テソンはその強く掴んだ手とは裏腹にとても優しげな声で話し始めた。
「ジヨンヒョンとこのみちゃんがどうして別れたのか僕にはわからないけど…お互いの気持ちが離れたとも思えない」
私はその場に立ち尽くしたまま静かにテソンの言葉に耳を傾けている。後ろでギシッとソファの軋む音がしてテソンの声が私の頭の上から聞こえてきた。
「…僕がこうやって来てることをジヨンヒョンは知らない。ヒョンは…」
テソンの声音が少し震えているように感じた。
「…ヒョンは、変わったよ。もう以前のヒョンじゃないみたいに…僕はそれが凄く悲しい…僕らには何もしてあげられないのが、凄く悔しくて、悲しいんだ…」
私は何も答えられなかった。
だって私にも何もしてあげられない。
唯一、彼の為に私ができる事が彼の元から離れる事だけだった。
「…ジヨンヒョンを…助けてあげて…」
私の肩がずしりと重くなった。
テソンの額の温もりが私の肩からゆっくりと全身に広がっていく。
「…私…は…」
言葉が続かない。
声が出ない。
ジヨンを助けるのはもう私じゃない。
ジヨンを支えるのはもう私じゃない。
ジヨンを守るのはもう…私じゃない。
だけど、その事実を言葉にできずに私は馬鹿みたいに口を開いては閉じを繰り返していた。
「…ごめん、困らせるつもりは無かったんだ」
テソンは私の肩に凭れていた頭をゆっくりと起こすと私の肩を掴んで自分自身に向き合わせた。
「…これ」
そう言って差し出されたテソンの手には真っ白な封筒が握られていた。
「今度のライブのチケット…無理にとは言わないけど、このみちゃんの中に少しでもヒョンへの気持ちが残っているなら来て欲しい…」
テソンは私の手を掴むと自身の持っていた封筒を私に握らせた。そしてそのまま手を離すと私の頭をくしゃりと撫でて「…ごめんね」とその優しい声で囁いた。
私は首を小さく横に振り自分の手に握らされた封筒を見つめた。
「今日はいきなりごめんね…でも、会えて良かったよ」
そして、テソンはそのまま「…じゃあ、また」と言葉を残し部屋を後にした。
私はどうするべきなのだろうか…
私はどうしたいのだろうか…
色々な感情が私の中で轟々と渦巻いて心がうるさい。そんな中で私は静かに瞳を閉じた。
うるさい心の中で、ただ一つ変わらないのは瞼の裏に映る、優しくこちらを見つめて微笑むジヨンの姿だった。