お久しぶりの小説の更新です![真顔](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/042.png)
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相変わらずの亀更新で
申し訳ないですm(_ _)m
そして今回、途中にちょいと暴力的な表現があります…![滝汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/039.png)
![滝汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/039.png)
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どうぞ苦手な方は高速スクロールで見ないふりをして頂きとうございまする( ̄Д ̄)ノ
では、楽しんで頂ければ幸いです♡♡
それじゃあ、大丈夫だよーん♪という方は
どうぞ〜〜( ´͈ ᗨ `͈ )◞♡⃛
トイレを後にしてフワフワとした足取りで仲間の元へと歩いていると肩に何かがぶつかり俺は鈍い痛みを感じたそこに視線を送った。
ふと見ると足元には女性が倒れていた。
酔ってふわついた頭で考えを巡らせ俺がぶつかってしまった事に気が付いた。
「すみません」
俺は慌てて謝り倒れている女性に手を出した。
「いえ、こっちこそごめんなさい」
そう言って彼女は俺の差し出した手を掴んで立ち上がった。
俺が酒を飲んで熱くなっているせいなのか、掴まれた彼女の手は異様に冷たく感じた。
「怪我は?」
立ち上がった彼女に問いかけると彼女は「大丈夫です」と答えて一際目を引く真っ赤な口元で微笑みを返してきた。
彼女の赤い口紅は肌の白さと相まってより一層その存在感を強めていた。
「痛っ」
「それじゃあ」と歩き出そうとした彼女はよろめきながら俺の方へと倒れ込んできた。俺は彼女の体を支えると一瞬、彼女の髪から流れ込んできた香りに時を奪われた。
このみと同じ香りがした。
彼女を支える手に力が入る。
きっとこのみと同じシャンプーか何かを使っているのだろう。頭では理解していても俺の心臓は早鐘のようになり続けていた。
「あ…あの、ごめんなさい」
俺の腕から離れる彼女を見て彼女の姿がこのみと重なって見えた。俺はぎゅっと瞳を閉じると静かに息を吐き出した。そしてゆっくりと瞳を開けて目の前の彼女を見た。
このみじゃない。
彼女は申し訳なさそうに俺に視線を送っていた。
「大丈夫?歩ける?」
俺が尋ねると彼女は小さく首を横に振った。
俺は周りを見渡して「一人?」と尋ねると彼女はそれにも申し訳なさそうに頷いた。
「じゃあ、家まで送る」
「え?でも…」
彼女は少し困惑した様子を見せたが俺が「送るから」と強く押すと暫く考えて「それじゃあ…お願いします」と小さく笑った。
自分でもどうしてそんな事を言ったのかわからない。普段ならばありえない。
だけど、俺の鼻を掠めるこのみと同じ香りが俺にあの頃の胸の高鳴りを思い出させて死んだはずのクォン ジヨンが微かに蘇っていくのを感じた。
* * * *
部屋に着くと彼女は貸していた肩から腕をどかしてベッドにゆっくりと腰をかけた。
「ありがとう、ジヨン」
そう言って彼女は立っている俺の腰に腕を回した。俺は眉根を寄せて「何?」と尋ねると彼女は赤い口元をニヤリとあげてこちらを見上げていた。
「私、ジヨンとずっとこうなりたかったの」
そう言いながら彼女は自分の服を脱ぎ、俺の服を捲し上げてTシャツの中にその冷たい手を忍ばせていく。俺は冷めた瞳を彼女に向けたが彼女は俺の体を貪るのに夢中で気づかない。俺は彼女の髪に手を伸ばしひと束手に取ると自分の鼻先へと近づけた。
「ジヨン…」
彼女は俺の名を呼ぶ。
この鼻を掠めるのはこのみと同じ香り。
だけど、俺に触れる手は全くの別物で冷たく、俺を呼ぶ声はこのみとは似ても似つかない全くの別人だ。
この女性はこのみではないんだと実感する。
俺は鼻でフッと笑うと彼女の冷たい手を掴み振りほどいた。
「やめろ、あんたじゃ無理だから」
「大丈夫よ…楽しみましょう」
そう言って彼女はまた手を伸ばして俺のベルトへと手をかけた。俺は彼女の手を掴むとその手を自分の男の部分へと押し当てた。
「あんたじゃ勃たねぇんだよ」
自分でも驚くほど冷たい声だった。
女は驚いた顔を俺に向けて呆気にとられている。俺はそんな彼女を放って服を整えるとそのまま玄関へ向かって歩き出した。
「何のために、あの女と別れさせたと思ってんのよ」
女の言葉に俺はゆっくりと振り向いた。
「あんたの為に別れさせたんでしょ‼︎」
身体中の血の気が引いていくのがわかる。
「何の…事だよ」
俺が問いかけると女は立ち上がってゆっくりと俺に近づいてくる。女は俺の問いかけに鼻を鳴らして笑った。
「何の事?あの日本人の女のことに決まってる。わざわざ日本に行ってまで別れるようにしてあげたのに」
ーこの女、何言ってんだ?
頭が上手く追いついていかない。
それでも女は俺に言葉を次々と投げつけてくる。
「ジヨンにあんな日本人、似合わないわ!だから私が全部あなたを思ってやってあげたんじゃない!あなたには私が一番、お似合いなのよ!」
怒りとも恐怖とも言えない感情が俺の中に沸々と湧き上がってくる。
握り締めた拳がブルブルと震えて、手のひらには自分の爪が食い込んでいく。
瞬間、俺の中の感情が爆発した。
俺は彼女に詰め寄り胸ぐらを掴むと部屋の奥にある本棚にその体を押さえつけた。大きな音と共に本棚にぶつかった衝撃でバサバサと棚の本が落ちていく。そこに一つ木箱のような箱も一緒に落ちてきた。それは落ちた衝撃で蓋が開き中のものが外に広がっていた。俺はそれを目にした時、まるで頭を鈍器で殴られたようなそんな感覚に陥った。そこには幸せそうに笑う俺とこのみの姿があった。
「何だよ、これ」
「見ての通りだけど、ずっと見てたわ」
真っ赤な口元を歪ませて笑う彼女を見て俺は自分の中で次から次へと湧き上がる怒りをもう抑える事が出来なくなっていた。俺は彼女の首に右手を当てるとそのまま強く握りしめた。
「……っかは」
女の苦しげな息が漏れる。
だけど、そんな事は構わない。
問題はそこじゃない。
「何したんだよ…このみに」
俺は冷めた口調で女に問いかけた。
「…っ何も…っ」
俺は彼女の首を掴んでいる手に更に力を込めた。彼女の顔が息ができない苦しさで歪んでくる。
「何したんだって聞いてんだよ!」
俺の荒げた声に彼女は肩を弾ませて苦しさから俺の手を解こうと両手で俺の手に爪を立てていて、そこから真っ赤な血がじわりと滲んでいた。
「…っか、お…脅した…っ別れる…ように…別れないと…っ写真をばら撒くって…ジヨンは…っ終わりだって……っはぁ…」
俺は大きく息を吸い込むと首を絞めていた手を離した。女は自分の首に手を添えて大きく肩を上下させながら苦しげに呼吸をしていた。
「おい」
俺は苦しげに息をする女の首元を今度は腕の部分で押さえつけて彼女を見つめた。女の瞳には恐怖の色が強く出ている。彼女の瞳に写る自分を見た。目つきは深く、鋭い。まるで狩りをする獣のように必要のない動きを一切見せずに真っ直ぐとただ女を見据えている。女も追い詰められた獲物のように動けず俺から視線を逸らすことすらも出来ずにその瞳には薄っすらと涙が浮かんでいる。それが彼女を恐怖の色を更に濃く、深く強めていた。
「今後、二度と俺とこのみに近づくな」
俺は低い声でそう言って女の首元に当てている腕にグッと力を込めた。
「……っもう、やめて…っ」
苦しさと恐怖で女の目尻から次々と涙が流れ落ちていく。
「いいか?近づくなよ、今度近づいたら社会的にも生物学的にも殺してやる」
女は激しく首を縦に振ると再び解放された首元を摩りながらその場にヘタリと崩れ落ちた。俺はそのまま体を翻し、ただ前だけを見て歩きその場を後にした。
外は真っ暗で所々に街灯がちらほらと小さな光を照らし出している位だった。暗い夜の帳の中、俺はアスファルトに籠る昼間の熱を足元に感じながら地面に吸い付いているような重い足どりで歩いた。途中、縁石に躓きそのまま景色が反転し俺は手のひらにめり込んだ小石の痛さを感じながら仰向けになった自分の目の前に擦りむけて血だらけの手のひらを見つめた。
このみはあの女の恐怖に一人で耐えて、俺を守るために別れる決断したんだ。真実が見えて俺の心は暗く仄暗い水の底にゆらゆらと沈んでいった。
最後にこのみを抱いた夜、彼女は泣いてた。
あの夜もうこのみの中で俺たちの終わりが見えていたんだな。
俺はやっぱりこのみを幸せにはしてあげられない。側にいるとこんな風に巻き込んでしまう。俺がただのジヨンならこんな事にはならないのに…本来なら傷つかなくていい事でこのみに傷を負わせなくて済むのに…俺がただの男だったら…何度そう願ったか…
だけど、そうじゃないから…俺はG-dragonだからそれはもう、どうやったって変わらないから。
だから、もうあの頃の二人には戻れない。
真実がわかった今、改めてまたこのみにさよならをする。
もう俺の事で苦しまない自由をこのみにやるよ。
俺は血だらけの手のひらをキツく握りしめる。
どんなに忘れるだの何だの言ったって結局のところは今もあの頃もこのみの事で頭がいっぱいなんだ…ただ一つ違うのはこのみを好きだなんて言えない事…言っちゃいけない事…
そして今、俺の胸の中を占めているのは寸分の揺るぎもない決意だけだった。
もう二度と会わない。
このみの香りを思い出したりしない。
もう、このみを想わない…
俺はアスファルトの熱を背中に感じながら握りしめた手のひらから流れる自分の真っ赤な血を見つめて呟いた。
「ごめんな…」
心が沈んでいく。
真っ暗な深海で息も出来ずに涙も悲しみも苦しみも全てがその闇の中に消え去っていく。
もがく事にも、もう疲れてこのまま静かに沈んで行きたい。ただそんな中でも願うのはこのみが笑顔で過ごせる事と、このみが幸せな日々を送れる事…ただそれだけだ。
あの日、俺の心の雨に傘を差してくれたのは紛れもなく俺が愛したただ一人の君だけだったから…どうか幸せになって欲しい。
ただ、その願いだけを胸を俺はそっと瞳を閉じてその暗闇の中にゆっくりと足を踏み入れた。
if you 第26話 fin.
※画像はお借りしました。