劇場を作りたいのは、舞台の感動や喜びを分かち合うため。そして、もうひとつの目的は「町起こし」です。
私が30年近く住む地域は、市の北側を大きく囲むように流れる川沿いに拓けた「北の玄関口」として栄えた町でした。
かつては私鉄のターミナル駅を中心に、マンモス団地や高層住宅が建ち並び、総合病院や大型スーパー、銀行、銭湯や映画館、娯楽施設、老舗の料亭など何でも揃っており、通勤客、買い物客で賑わっていました。
しかし、市営地下鉄乗り換え駅までの地下鉄・私鉄相互乗り入れに伴い、便利になった反面、地上の人通りが激減。
客足が遠退き、細々と営業していた公設市場や個人商店も、高齢化や営業不振で閉店が相次ぎ、シャッターが目立つ町になりました。
多種多様な住人が暮らし、治安も決して良くはない。縁あって長年、暮らしてきたこの町を、子どもは俺の故郷と呼び、いつしか私にとっても、馴染みある地元の町と思えるようになりました。
この町に劇場を作って人を集め、かつての活気を呼び戻せないか、いろいろな人がこの町で楽しく暮らしていけるよう、力を注げぬものかと考えているのです。
密かに (いつも密かに…(^_^;)) 白羽の矢を立てた場所があるのですが、まだ公にはできません。
そこを通る度、私の頭で8割方完成した劇場の、闇夜にぼんやり点る提灯が目に浮かぶのであります。
老眼が進み、活字を追うのが辛いので、名古屋のNPO法人「宗春ロマン隊」が発行した歴史漫画を読みながら、お勉強中。
「どうしたら庶民とともに楽しく生きられる世の中になるか」と考えた宗春さんに教えを乞いながら、妄想力を駆使して夢を形にいたしましょうぞ。