なんてことない日、漁港を歩いていた時のこと
ふと香ったタバコの匂いと潮風の匂い、漁港の匂い。
胸が痛くなる懐かしさを覚えた。
奥の奥にしまい込んでいた幼少期の記憶。
父親の匂いだった。
釣りが好きで、家の外で魚を捌いていたのを覚えている。
海に連れて行ってもらった事があったかどうかは分からないけれど、タバコと潮と魚の匂い。
思い出さないようにしているうちに、思い出せなくなってしまっていたもの。
一度記憶に蓋をすると、取り出そうとしても簡単には取り出せなくなる。
辛い事だ。
私の人生は思い出せない事がたくさんある。
子供の頃の記憶。家族の、愛の、記憶。
きっとそれを思い出した時に私は初めて自分に向き合う事ができるんだろうな。
自分の人生の聖地巡礼をしよう。
必ず、苦しくても。辛くても。
私の人生をまとめよう。
前に進むために。