こんにちは。千葉です。

何やら選挙は自民党優勢とか。ふうん、2009年に下野したあとに何も変わらず、それどころかカルト的に国家主義的に純化した挙句今なお原発を推進したい、消費増税にも積極的に反対しなかった、加えてTPP参加の政党がいいのか。なるほど、民意って面白いね。

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いやいや嫌味を言うために書いているのではなかったわ、今日はちょっと、自分用の覚書なので不親切に書きます。最低限の意味は取れると思いますけど…

昨日、ちらっとNHK「BS世界のドキュメンタリー パーク・アヴェニュー 格差社会アメリカ」を見たんです、後半だけ。いわゆる1%と99%との乖離が進む社会構成は向こうのほうが先輩ですからね、番組に気がついたのは遅かったけれど勉強になるかと思って。

そうしたらまあ、共和党筋の富裕層がテレビなどで貧困層が税金払ってないだのなんだの言い募るさまに強力な既視感を感じまして。なるほど、アンチ生活保護キャンペーンとかあっちのモノマネなんすね。さすが、以下選挙期間中につき自己検閲(笑)。企業の再分配が機能していない先達を見習って、その上セーフティーネットを完全に壊して自己責任の強調で妥当だと思える無神経、なかなかのもんですね(ほめてない)。こっちの場合はそこに宗教的倫理がないものだからよりいっそう過酷なものになりかねない、ということには気づいているのかどうなのか。最低賃金の高止まりとか言い出す輩まで出てきたようですからもはやそれはただの現実かもしれません、いやはや、恐ろしいお国ですわねここは。

そんな話の流れで、先日行われた合衆国大統領選挙の、共和党副大統領候補だったポール・ライアンが「アイン・ランド」の信奉者として紹介されたんですよ。この名前、あのお国で影響力が強い割に日本では言及されることが少ないように思うのだけれど、如何かしら?

かくいう千葉も、かつての明治大学商学部特別講義で佐藤亜紀先生に教わるまでまったく知らない名前でした。その情報の信頼性など問題はあるにしても、一応の情報としてWikipediaにリンクしておきましょうか。
ちなみに日本で買えそうな著作はこのあたり。

水源―The Fountainhead/ビジネス社
¥5,250
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肩をすくめるアトラス/ビジネス社
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利己主義という気概ーエゴイズムを積極的に肯定するー/ビジネス社
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ああ、最後のやつとかドキドキしますね、いろいろ想像しちゃって(笑)。にしても、それもお高いわねえ…

リバタリアニズムとも関係づけられて語られるようなのだけれど、徹底的な個人主義、自由主義的「Objectivism」の人のようで。ふん、なるほど。
ちなみに佐藤先生の講義では、その生涯をたどった上で思想について紹介いただいた、ような記憶があります。なおこれはご紹介なのですが、近日「小説のタクティクス」として2013年に明治大学商学部での講義が出版されるとのこと。


共和党、そしてそれ以上に「自由主義」的性格の強いティーパーティーの志向の根底に、キリスト教(それも我々がイメージするようなものではないアレ)、国の成り立ち(自主独立の気風、と言う奴でしょうか)、までは想定していたつもりだけど、加えてこの人とか、影響あるんですなあ…正直な話、まったく読むつもりはないのだけれど(誰かがかいつまんでくれた紹介を読むぐらいなら、まあ…)、宗主国様の根底にある何ものか、であるならばもう少し知らなければならないか。むむむ。

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にしてもだよ。彼の国でそのように扱われ高く評価されている作家、思想家なのであればもう少し日本でも知られているもんなんじゃないんかねえ…先ほどリンクを貼った著作にしてもいわゆる学問的だったり文芸的だったりする出版社ではなく、ビジネス方面の書物を贖われている会社からの出版のようだし。

持ち上げがすぎるのも不自然だと思うけれど、こういうのも、かなり不自然に思われて、どうにもこうにも。

と、非常にもやっとした気持ちになりましたわよあたしゃ。そもそも宗主国の二大政党のそれぞれの性格についても明確化しないでよそのお祭りのように見てしまうこの国ですからね、それでいいと思ってるのかもしれませんけど、そのお祭りはいったい何を祭っているんだい?くらいは思いましょうや。BS世界のドキュメンタリー、オススメですよ。今の公共放送の番組の中ではコンサートの放送と並ぶ圧倒的ツートップですね。あ、「平清盛」は別枠です(完結したらなにか書くかも。個人的にはあれは「成功してしまった革命家の物語」なんだなあ、と思って見ています)。

とか思わされたよ、ということを、思いつくままに書いておきます。って実は「Twitterでぼそっと書いたのはこういうことでした」という補足だったりもしますけれど(笑)。ではまた。