こんにちは。千葉です。
ハイチの地震のニュース、なんともいたたまれない気持ちで見ております。
考えてみたら、ハイチという国については「ドミニカの隣」くらいにしか知らないな、と思ってWikipediaをみたら 、なんでしょうかこの困難な歴史・・・少しでも速く救援の手がとどきますように。


では話変わって読了した本の話。


明日は昨日の風が吹く/橋本 治
¥1,890
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昨年惜しまれつつも休刊した雑誌「広告批評」に長年連載されていた橋本治の時評のようなもの、「ああでもなくこうでもなく」。単行本の刊行はマドラ出版の解散とともに終了したため、最後の単行本以降の文章はバックナンバーを探さなくては読めない状況でしたから、本書のようなかたちでまとめられたことは実にありがたいことです。今はないけれど掲載誌だった広告批評、そして本書を出版してくれた集英社に感謝。


本書には、二種類の単行本未掲載の文章が集められています。
ひとつは、これまでの単行本には収録されなかった部分。もともと連続する断章で綴られる時評ではありますけれど、全体から切り出された文章がそれぞれに刺激的であることには感心します。ただし、こちらには結論的な部分はありません、ご注意ください。前世紀の終わりから最近に至る文章、千葉好みの近過去を振り返るものとなっていて、いろいろと再認識しました次第。


そしてもうひとつが先ほど書いた通り、最後の単行本以降の文章です。
本書の解説は内田樹氏によるのですが、そこにある「橋本治は説明をする人」、主に自分自身に対してだけれど、という指摘が身にしみます。政権交代に至る寸前までの事ごとを、橋本治独自の論理で説明してくれていますので、今後の続きがないことは実に残念。著者はそう思ってないみたいですけど…


ともあれ。残念がっていても仕方がない。さらっと終わる本書から、今後は自分の頭で考えれば?というメッセージを勝手に受け取っておこうと思っています。とは言え、いしいひさいち氏も書かれていない昨今のこと、少々の不安はありますけれど。


以上簡単な紹介のみ。では後ほど。