こんにちは。千葉です。
ドラマ「とめはねっ!」、意外に良かったですよ!一部地域を除いて再放送もあるみたい なので、もし千葉のおススメにダマされて(笑)見ても良いかなって思われたかたは是非ご覧あれ。


さて、マーラーの選曲ですが。もう開き直ってしまいます、「ランダムに」とか考えず、スタートはまず交響曲を順に、自分にとってなにかしらの「初めて」感があったもの、ということで選んでいきますね、意志が弱くてすみません。


というわけで今回交響曲第二番。これで彼の演奏をよく聴くようになった、と言っても良いだろう一枚(でも二枚組)。

Mahler: Symphony No. 2 ’Resurrection’/Gustav Mahler
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前にも書きましたが、かつて千葉は音楽之友社から出ていたCDのカタログが大好きで。っていうか、なにを聴いたらいいかわかんないから購入の参考に、という以上にある種の指針としてよく読んでいました。若いなぁ、自分(笑)。
(もちろん、ネットがある今なら別の情報もあるでしょうけど、当時はそんな便利なものはなかった、またはあっても黎明期だったのであまり使いでがなかった)

これまた前にも書いた話ですが、当時はポリドール(現在のユニバーサル)傘下のレーベルの豪華カタログ(無料)も好きだったから、そのレーベルに録音している音楽家しか知らないようなもので、彼ら彼女らの名前を探して見ていたような感じです。

ですが、当時は本当に広告に力が入っていたのか、店頭に足繁く通うようになれば厭でも他のレーベルのアーティストにも馴染みが出てきます。千葉にとってのサイモン・ラトルは、まだそのくらいの存在でした…


そのうちもっと詳しく書くので(予定)ラトルについては簡単に。
若手指揮者がストラヴィンスキィや新ウィーン楽派、またはもっと新しい作品で世に出てくるパターンは彼らの世代からはじまっているのかしら?サロネン、シャイー、ナガノなどなど近い印象を持っておりましたけれど、要検証ですね、その前の世代とか明確に認識出来ていないし。


ラトルの場合は、ブレイクスルーとして選ばれたのがストラヴィンスキィのいわゆる三大バレエ。確かに、イギリスの地方オケに過ぎなかったバーミンガム市響からやたらリズム感の良い音楽を引き出したあのディスクはかなりのものです、いまきいても充分に面白い。いまでも探せばうちにあると思います、無料配布された三大バレエのハイライトのシングルCD(笑)。

ですが、申し訳ないけどあまりにもそれ一辺倒だったのです。他のレパートリィに目が向くのは、自分が吹奏楽で演奏する作品を、いちいち彼が録音していたものだから、嫌でも気になる存在になっていったのです。ヤナーチェクの狂詩曲「タラス・ブーリバ」、ニールセンの交響曲第四番「消し難きもの」(通称:不滅)、そしてそれこそストラヴィンスキィの「ペトルーシュカ」。ちょっとした癖まで覚えるほど聴いたものです(スコア読めよ、と今なら思わないではない)。


そんなわけで20世紀音楽の得意な人、としか思っていなかったラトルなのですが。CDのカタログを熱心に探せばもっともっと録音があるわけですよ。まぁ、当時はイギリス音楽と20世紀もの、そしてマーラーがめだった程度ではありましたが…


前回書いた通り、千葉はバーンスタインからマーラーを知りました。その認識と、他の作品で知ったラトルの演奏がどうも噛みあわないというかなんというか(笑)、しばらくは「好評らしい」という事だけ知っている状態で放置していました。ほら、二枚組は高いし(いまはそうでもない…)。録音の順番が年代順ではなくバラバラだったこと、ジャケットが独特の雰囲気だったこと(いまはむしろ好ましいのだけれど)などなど、いろいろと要因はあったんですけどね…(言えば言うほど!)
まぁ、いまではちゃんと個別に買い揃えたラトルのマーラー全集、加えてベルリンとの一部再録音、友人からいただいたエアチェックなどなど、彼のマーラーには通暁しているんですけどね!(言い訳くさい、もうダメかも…)


まぁ自爆テロはさておき(笑)、この演奏ですが。やっぱり当時は驚きました。バーンスタイン新盤(NYP)とのあまりの違いに。楽譜のヴァージョンだ違うんだよ、って言われたら信じたかもしれません、当時の私(笑)。

その演奏は録音から20年以上がたった今聴いても新鮮。冒頭の弦トレモロの重さ、そして続いて入ってくる低弦の表情付け、ツカミから彼独自の「復活」です。
葬送行進曲が内包するドラマを、厳しさの中にも表情豊かな音楽として提示する第一楽章、リズムの冴えが光る第二、三楽章。原光に導かれて復活へと至る第四、五楽章と、それぞれの性格をきっちり提示し、そこに独自の表情やデフォルメを織り込むスタイル、ある意味では現在と同じ、読みとオーケストラドライヴの冴えが見られます。お見事。


ただ。今ならもっと出来るだろう!とも思えるところがあるんですね。バーミンガム市響との演奏では、ときどき彼の手癖のようなものが見えることがあるんです、構成というか組み立て方の癖というか。この録音のあとの、CBSOを離れる際の演奏、またウィーン・フィルとのエアチェックで聴いたこの曲はもっと可能性を感じさせるものでしたから。今のベルリン・フィルとなら更に!とどこかで思ってしまうのです。千葉如きがイメージできる以上の「音楽」を聴かせてくれる彼らに期待しながら、そう言いながらもこの若い演奏を楽しませていただきました。


(今なら、ということでは、第二番単売じゃなくて全集を買っても良いかもしれません、廉いし・・・>HMVのサイト


この交響曲第二番、本当に難しい曲だなと聴く度に思います。実演でもなかなか満足できないし、果たしてどの録音が良いのやら。まぁ、それもまたこの先少しは回答めいたものが見えてくれればと思っています。それでは本日はここまで。ごきげんよう。