こんにちは。千葉です。

シーズンも本格的に始まって、すでにいろいろと聴くべきコンサートを逃していること、この先もあまり行けそうもないことに気付きました・・・


気を取り直して読書の秋!・・・すみません、空元気でした。読了した本、ご紹介を。


芸術家の奇館 (講談社文庫)/デイヴィッド ハンドラー
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デイヴィッド・ハンドラーの「ミッチ&デズ」(本当にこういうかどうかは知らない)シリーズの第二作、ようやく読了しました。二作目ともなれば、舞台となるドーセットにもなじむしキャラクタたちにも愛着がわき、かつ人間関係もある程度のおちつきが出てきますから、かなり読みやすくなりました(読みにくかった、というのはもちろん、千葉の問題ですよ)。

とはいいながら、昔風が残る地域で展開される物語なれば、しがらみやら暗黙のルールやら、あまり気楽に読んでばかりもいられないところもあるし。そうそう、ちょっとだけ「ピーター・グライムズ」のことを考えてしまうような。あっちは貧しい漁村で、こっちは名家や富裕層が居並ぶ感じではあるけれど。


そして主人公二人はともによそものであるがゆえに、どうしてもムラ社会の隠された部分を探るところから話が始まりますので、けっこう長い!のです。ドーセットの開発問題もプロットにかかわってくるから、結果登場人物も本当に多いし・・・


以前森博嗣がホーギーのシリーズを進めていたものだから読むようになったハンドラーの小説ですが、登場する人々の描き方が実に魅力的で好いです。本作の中心にいるアーティストの一家もなかなかのもの、まぁ、ミステリなので仕方がないんですが、それがゆえにどんどんと退場されていくのがなんとも・・・そうそう、デズのお父さん、ディーコンは先々も登場するのだろうし、なかなか惹かれる造形だなぁ、なんて思いました。


そうそう、先日亡くなられたステュアート・カミンスキーは確か筒井さんの本で知ったような気がするし、自分の読書傾向は、一言でいうと「信頼している書き手が紹介しているもの」ということになりそうです。そういう人が多くいてくださるおかげで、このような雑多な読書になるのですね(開き直ったよ、また)。


以上ひとまずはこれにて。ではまた。