こんにちは。千葉です。

噴火は小康状態とか、先のことは心配ですが一安心、でしょうか。


この本、本当に時間かかりました。いや、かけました。


青銅の悲劇 瀕死の王/笠井 潔

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笠井潔の「矢吹駆」シリーズの最新作、と言うと嘘になるのかどうか、非常に微妙な本作、過剰なまでに論理的可能性の追求に拘泥したつくりにいささか心が折れながらもようやく、読了。


「新本格」(笠井潔のタームを使えば「第三の波」)の時代をとらえなおす、という小さいコンテクストと、20世紀という大きいコンテクストをとらえ直すために大部になって、かつ多くのものが取り込まれた本作を、読む人は誰なのか。


えっと、笠井潔をこれまで読んでいない人には勧めがたい。

「バイバイ、エンジェル」にはじまるパリ編(現在五作)、その前日譚として読める「熾天使の夏」(整合しきらないかも知れない感触あり)はもちろん、本書の語り手である宗像冬樹が登場する作品(三作)、できれば「ヴァンパイヤー戦争」にエッセイや評論まで読んでいていただければ、存分に楽しめるだろう、と思われます。あ、これって一応自分を想定して言っています。そのくらい読んでますので・・・


ということで、非常に刺激されつつ読んだのですが、ミステリだから何か書くとネタバレになるし、あまりにも読む人を選ぶように思われる、その理由で詳しくは書きません。ただ、千葉は笠井潔に大きい影響を受けているなぁ、と再認識した、とだけ申し上げておきます。


ひとまずはこれにて。では。


バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)/笠井 潔
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矢吹駆シリーズ第一作。これは普通にオススメです。