こんにちは。千葉です。


今日は五月一日。ということは、この曲の出番ですよ!


◆ドミトリー・ショスタコーヴィチ作曲 交響曲第三番『メーデー』


・・・まんまでスミマセン。


ショスタコーヴィチの第二、第三の二つの交響曲は、政治的メッセージを合唱に歌わせることで、音楽的には自由に作曲しているところがおもしろいのです。第二番では過剰なポリフォニーが炸裂する冒頭、終盤に叫ぶサイレン(F♯で!)が歌詞を裏切っているようにしか聴こえないし、この第三番では「主題が全く繰り返されないような交響曲が書けたら面白いかもしれない」※との作曲者の言葉どおり、次から次へと新しいエピソードが登場するある意味おもちゃ箱的な楽しさもある音楽が素敵です(※シェバーリンの回想による。BMGファンハウス/コンドラーシン盤ライナーノートの一柳富美子氏の文章より)。


とはいえ。先日亡くなったロストロポーヴィチによれば、「交響曲を演奏するなら第4番以降にしてくれ、と頼まれた」ということですからある意味“鬼子”なのかも知れません(笑)。千葉はけっこう好きなんですけどね、この曲。ちょっと歌いにくいテューバ・ソロがあったりして。「ペトルーシュカ」が当時失われたサンクト・ペテルブルクのお祭りを描いているように、今聴くこの作品は失われたソヴィエト時代のお祭りを見せてくれるように思います。まだ聴いたことのない皆様、騙されたと思って一度聴いてみてください(騙された、と思ったらその怒りはひっそりと胸にしまいこんでください)。いったい、交響曲ってなんなのか?という問いがあなたの心に生まれることでしょう(笑)。


・・・え~、薦めているのかいないのか、自分でもよくわからなくなってきました。ここで何枚かのディスクを紹介します。



メーデー!


○キリル・コンドラーシン指揮モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団 他


大好きなコンドラーシン(一柳さんの表記に合わせました)の、キレキレの演奏。マニアなので、国内盤と各種輸入盤で持っていたりします。残念ながら、異様に鮮明な音質で楽しめる国内盤は廃盤、現在はこの全集が入手容易ですのでぜひお聴きいただきたい、と思いますです。


○ウラディーミル・フェドセーエフ指揮 モスクワ放送交響楽団 他


来日公演で聴いたラフマニノフ:交響曲第二番以来ファンになりましたフェドセーエフによる新録音。このシリーズ、全集になるといいなぁ(願望の表明)。オーケストラの音色も比較的落ち着いていて、ロシアのオーケストラが苦手な方でもお楽しみいただけるはず。次の来日でもショスタコーヴィチを演奏してくださいますように。


○エリアフ・インバル指揮 ウィーン交響楽団 他

ショスタコーヴィチ:交響曲第3番&第9番/インバル(エリアフ)
¥1,050
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フランクフルト放送響、都響での演奏でもおなじみインバル指揮のショスタコーヴィチ全集からの一枚。ウィーン響の音色はあまり派手じゃないし、あえて言ってしまうとけっこう地味?なところはあるのですが、インバルのコントロールの聴いた演奏は一聴の価値ありです。ソヴィエト、ロシアの演奏とは一味違ってます。


あの~、この全集を千葉は分売で発売されるたびに買っていたので、特典も何もなし、かつ一番お金のかかる形で揃えてしまいました。シクシク。良いんですけど。現在は、DENONの人気シリーズ「DENON CREST 1000」で発売されてます。全集が・・・


さて万国の労働者同志諸君、メーデーをこの作品で祝おうではないか!・・・って、本気かどうかはこの音楽を聴いてみてくださいませ。では。