こんにちは。千葉です。


変だな、更新ペースを落とすつもりが高まっている・・・はっ。も、もしや現実逃避?とか言っても仕方ないですね、読了した本の印象は早めに書いておかなくちゃデス。


◆鮎川哲也『りら荘事件』(創元推理文庫)


小学生時代のポプラ社『江戸川乱歩シリーズ』(正式名称知らず)から名探偵コナンまで(おいおい)、ミステリはけっこう読んでいるつもりの千葉ですが、実は鮎川先生は未読だったのです(読んでないじゃん!!ありえんな)。で、ようやく手にした本書。


スペードのAと共に発見された男の屍体。芸術家の卵たちが夏季休暇を過ごす<りら荘>に由木刑事がもたらした変事の報は、続発する殺人事件の先触れだった---。(創元推理文庫裏表紙より引用)


曲者ぞろいの日本芸術大学の学生たち、彼らがかもし出すギクシャクした人間関係、読み始めしばらくは『不連続殺人事件なのかな?』とかなんとか引っかかりもあったのですが、あっという間に引き込まれて読了いたしました。面白かった。名探偵星影龍三の登場するシリーズを、これから順番に読んでいくことにしました。まだまだ読むものがあってうれしいですぅ。


さて、作中の日本芸術大学は音楽学部と美術学部からなる大学という設定(当然実在しません)、登場する学生たちは音楽の方が多くてソプラノ、女流ヴァイオリニスト、テノールにバス二人、そしてジャズピアニストと、管楽器以外はまかなえそうな感じ(何を?)。とくれば、クラシック者としては何がしかのペダントリィを期待してしまうのですが、作中で言及されるクラシック作品は、意外にもこの一曲のみでした。


○W.A.モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299 (297c)

それも、作中で嫌味な気取り屋として描かれている二条義房によって、このような調子で語られるのです・・・

『きみはそういうけどさ、フリュートゥとアルプのための今セールが有名なのは、ライネッケのカデンツァのためではありませんよ。(中略)あの華麗きわまる本体そのものをほめなくちゃ。やはりモザーは偉いですよ』・・・あぁ、他山の石となさんがために引用してみたのですが。いや、鼻持ちなりませぬな。二条氏、ビールも「ビエール」だからな・・・気をつけよっと。そういえば、この作品はあの名作『ベルサイユのばら』にも登場してますよね。さすがは池田理代子先生、といったところでしょうか。


意外に長くなりました、今日はこれにて。では。


りら荘事件/鮎川 哲也
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いろいろと版があるようなのですが、ここは信頼のブランド(笑)創元推理文庫で。



モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲/他/アーノンクール(ニコラウス)
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モザー(笑)のブリリアントでエレガントな名曲は、昨年の感動的な演奏会が思い出されるアーノンクールが、吉野直子を独奏に迎えた一枚でどうぞ。あ、でもモザーならこれも良いかも。おフランスな一枚ザンス。お買い得価格だし。


モーツァルト : フルート&ハープ協奏曲&クラリネット協奏曲/ランパル(ジャン=ピエール)
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