帯(セブン!!)がちゃんとあるうちに、と思ってTwitterで情報を見かけてすぐに仕事場近くの書店で買ったよ、そして読んだよ。
青山氏の筆はとにかくリーダビリティが高くて、前著にいたっては実は小一時間で目が通ってしまい、ちょっと心配になってすぐ読み返したほど(幸い、目が滑ってしまったようなことはなかった。達意の文である)、本書も昼休みに購入してすぐ仕事の合間に読み始め、帰宅の途につく頃にはあとがきの前、冬木透さんの娘さんである岡本舞さんの寄稿部分まで読み進んでしまっていた。お見事。
「ウルトラセブン」はこの3月まで4Kリマスター版が放送されていたから、あらためて視聴してその本気のドラマづくり、映像の作り込み、そして冬木透さんの音楽に感心された方も多いだろうから、多く触れるまでもないかもしれない。だってご覧のとおりお聴きの通りで、本当に凄いんですよ、本作の音楽。
本書では「その音楽を演奏したメンバーがどんな方々だったか」であるとか、「どのようなつもりで作曲/選曲をしたか」などなど、青山通の前著では触れられていない話もあるのでその観点から期待されている方はご自身でお読みください。なにせ第三章はまるまる「ウルトラセブン」なのですから、その視点からも期待していただいていいと思いました。
なお青山氏の前著については、以前別のところに書いたのでそちらを参照ください。…今回イントロで書こうとしたことを書いてましたわ、私。変わらねえなあ…(なお内容としては「ウルトラマンレオ」のくだり)
最後に「ウルトラ」から離れたところで一つ。個人的に感銘を受けたのは、満洲国生まれの冬木さんが語る、帰国に至る経緯であった。「大地の子」を彷彿とさせるほどの厳しい現実、然と受け取りました。冬木透さんがこの厳しい世界を生き延びて、多くの作品を残してくださったことにあらためて感謝を。