浅草、観音様のすぐ脇にある
母子地蔵は、母親が男の子の手をひき、
女の子の赤ちゃんをおぶって
日本に帰る途中の、放浪の旅姿です。
いつも、お母さんの口が黒くよごれて
見えるるのは、お参りに来てくれた人が、
ミカンやお菓子など食べ物を、
食べさせようとするからなんです。
中国からの引き揚げの旅はとても過酷で、
冬は猛烈に寒く 、食べるものもほとんど無く、
いつも空腹で、沢山の人々が死にました。
だから、当時、家族をなくした人が、
せめてお地蔵さんに食べさせてやりたいと
無理やり口に押し込もうとするのです。
つらくて悲しい、
母と子のお地蔵さんです。