若い時は、若さゆえの、思いもよらぬ
失敗をしてしまうものだが、
ワシも、今考えると、思い出すだけで、
身の縮むような、失態をあちこちで
やらかしている。

例えば、マンガ界では講談社とか集英社、
小学館などの大手出版社の雑誌で
仕事をもらうということは、大きな舞台、
いわゆる檜(ひのき)舞台で勝負する、と
言われてきたし、あこがれでもあった。

その檜舞台で、ワシは、駆け出しの
新人マンガ家らしからぬ、軽卒な行動を
とってしまったのだ。
その時は、それなりの理由が
あったのだが・・・言い訳にはならない。
昔はワシ、少女マンガ家だったんだよ。

絵は、その時を思い出し、悶々と
苦しみながら描いたイラスト。
(共同通信社「屋根裏の絵本かき」より)