ちばてつやのブログ『ぐずてつ日記』-200903091421000.jpg
東京大空襲の日に、上野公園の慰霊会に出席したあとは、やっぱりボクの足はどうしても浅草へ。そして浅草へ来ると、いつも観音さまの本堂にお参りした後は、そのすぐ近くにある「まんしゅう母子地蔵」に寄ってお地蔵さんの子供の頭をなでなでするんだ。海老名香葉子さんのお話を聞いて、東京で大空襲にあった人たちの悲惨さは言葉に表せないほどだったけどボクたち引き揚げ者も、本当に大変な目にあったんだよ。やはり64年前に満州(今の中国地方)から引き揚げる途中、その年の冬だけで約24万人の日本人が、飢えと寒さと病気で亡くなっているんだ。
このお地蔵さんはお墓も何もないその人たちの霊魂を慰霊して奉られたんだよ。
そして寒い季節になると、こうして誰かが毛糸や服、帽子をお地蔵さんにいっぱい着せ、食べ物をお供えしてくれるんだ。
それぞれに亡くした兄弟や子供のことを思ってなんだろうね。ボクも当時のことを思い出して胸がいっぱいになります。