一般社団法人電子情報技術産業協会(小島啓二会長<日立製作所社長兼CEO JEITA)が、12月21日に大手町オフィスで年末会長会見を開催。「電子情報産業の世界生産見通し」などを発表した。  

   電子情報産業の2023年世界生産額は、対前年比3%減となる 3兆3826億ドルが見込まれる。  

   エネルギーや原材料価格の高騰、地政学リスクの高まりなど不透明感が強く、 個人消費や設備投資が鈍化する環境の中、デジタル化の投資拡大でソリューションサービスは 伸長したものの、それらを補うまでには至らない見込み。  

   2024 年は、インフレの 鎮静化が遅れるなどの景気リスクは残るものの、デジタル化による社会や企業を変革する動き が世界各国で進み、電子機器やデバイス需要の回復、ソリューションサービスの需要拡大も見込まれることから、世界生産額は前年比 9%増の3兆6868 億ドルとなり、過去最高の世界生 産額を更新する見通し 

   2023 年の海外生産分を含む日系企業の世界生産額は、前年比1%減となる 39 兆 6843 億円 が見込まれる。  

   円安により価格競争力が高まった電子機器が安定的に推移、データ 活用の高度化による進展でソリューションサービスが増加したものの、電子部品・デバイスが 減少となったことがその要因。国内生産額は前年比 1%減の 10 兆 8536 億円が見込まれる。  

   今後はデジタル化投資の加速により、ソリューションサービスが伸長、電子部品・デ バイスの生産も回復が見込まれることから、2024 年の日系企業の世界生産額は、前年比 5%増 の 41 兆 5638 億円を見通し。国内生産額は前年比 6%増の 11 兆 5119 億円の見通し。 

   小島啓二会長は「半年前の就任会見で、ここ数年における社会変化について『新型コロナを契機としたデジ タル化の加速』『企業行動に対する価値認識の変化』『経済安全保障の確保』の3つを述べましたが、それらがより一層加速した年であったと感じています。今年は生成 AI が爆発的に普及した年と言えます。急速に進歩するデジタル技術を、 どのように使いこなすか、どのように社会実装するかが、社会課題の解決や経済成長に直結します。そして社会のデジタル化のカギを握るのが半導体です」と、2023年を振り返った。 

 「今年の『注目分野に関する動向調査』は、『生成 AI による社会変革』をテーマに、生成 AI 市場に関する需要額を取りまとめました。世界の生成 AI 市場の需要は 2023 年の 106 億ドルから、2030 年には 2,110 億ドル、 約 20 倍に急速に成長すると見通しました。日本市場も現在の 15 倍となる約 1.8 兆円に 成長する見通しです。アプリケーションの急速な普及や専門分野向けの生成 AI 活用ニ ーズの拡大により、徐々に適用/応用範囲を広げ、市場が拡大していくとみています。

 生成 AI の発展や利活用の広がりにより、ハードウェア市場にも効果が及びます。ハー ドウェア 11 品目を抽出して需要見通しをまとめた結果、2030 年までの年平均成長率は 世界で 4.7%増、日本で 3.7%増となっており、これは生成 AI による押し上げが盛り込まれ ているものです。特にインフラについては、世界と日本で 3 割程度の大きな押し上げ効 果が織り込まれた見通しとなっています。生成 AI の処理と実行には膨大なデータの保 管や管理のためサーバやストレージが必要です。ここでもカギを握るのは、高性能な半導体です」と述べた。

 

via 中古車Rパーツ
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