4月17日に発表された自動運転車の実現のための道路交通関連の法制度の見直しに関して、政府全体の方向性を示した 「自動運転に係る制度整備大綱」において、2020 年を目途に、イベント・データ・レコーダ(EDR)、ドライブレコーダーなどデータ記録装置の設置義務化について検討することが盛り込まれた。
MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険(金杉恭三社長)とあいおいニッセイ同和損害調査(黒田昌浩社長)では、ボッシュのEDRデータ読み取り解析装置「クラッシュ・データ・リトリーバ(CDR)」を導入し、EDRデータを活用した自動車事故損害調査に業界として初めて取り組んでいる。導入に合わせて、読み取ったEDRデータを解析できるボッシュ認定の「CDRアナリスト資格」を15名の技術アジャスター社員が取得。全国に配置して自動車事故の原因調査・研究に当たらせる。
飛行機の「フライト・レコーダー」と同様に、現行の多くのクルマにはEDRが搭載されている。EDRは車両に一定以上の衝撃が加わった際、そこから約5秒間さかのぼり事故前の車両の挙動や運転手の運転状況を記録する。しかし、EDRはエアバック・コントロールモジュール内に設置されており、データ抽出には特殊な装置が必要でデータ解析にも専門スタッフのスキルが求められるため、結果が判明するまで数週間かかっていた。それを内製化することで、スピーディーな調査が実施できる。
担当者は「アメリカではEDRが20年前から浸透しており、ヨーロッパや韓国でも近々義務化され、各国で警察の交通捜査や民事訴訟で証拠として採用されています」と説明する。