全国中学校体育大会、全国高校総合体育大会の中止が相次ぎ、多くの中高生アスリートが目標を失い、進路を決める上で重要な大会の中止に不安を抱え、また夢の舞台がなくなってしまった喪失感は計り知れないものだと思います。


周囲の方、先ずは中高生アスリートの気持ちに寄り添ってあげてくださいね。


実は私は…全国中学校体育大会、全国高校総合体育大会、また県予選にさえ出場した事がありません。高校から陸上を始め怪我も多く遅咲きだった為、出場は叶いませんでした。


でもだからこそ「いつかは、ああなりたい!」という雑草魂を持ち続ける事に繋がったとも感じています。


マラソン界で言えば、五輪メダリストの有森裕子さん高橋尚子さん野口みずきさんも学生時代は有名選手ではありませんでした。また、東京五輪内定選手の前田穂南選手も全国大会に縁の無い選手でした。


  全国大会の成績も勿論大事ですが、このような状況の中で知恵を絞り勇気をもって一歩を踏み出す人間性、人間力に魅力を感じる指導者は多いと、今まで取材をしてきた中で感じます。


競技や種目によって異なるとは思いますが、陸上長距離では学生時代の成績よりも、どれくらい伸びしろがあるかという将来性と辛い練習に誰よりも熱い気持ちで立ち向かっていける心の持ち主をスカウトしていると聞きます。


実際に、市民ランナー出身の山ノ内みなみ選手は熱い想いを手紙にしたため監督に直談判し京セラに入社した経緯がありながら、昨年ドーハ世界陸上日本代表にまで成長している選手です。


思い返せば、私自身もシドニー五輪金メダルの高橋尚子さんと小出監督に刺激を受け憧れの気持ちで、つてをを頼って自ら電話をかけた事が出会いの始まりでした。


また、今シーズンで引退を考えていたけれど不完全燃焼のままでは終われないと、もう1シーズン引退を延期する決断をした選手もいます。僅かの期間で、よく人生の大きな決断をされましたね。


団体競技の3年生にとっては悩ましい所だと思いますが、仲間と知恵を絞り励まし合って最良の着地点を見つけて欲しいと願っています。


日数が経つにつれ、少しは気持ちが和らいだり前を向き始めている選手もいる事と思います。こんな状況の中でも色んな抜け道を模索し、自分らしく切り抜けていく事が生きる力を育みます。


私もそうでしたが、学生時代はとても狭い世界の中で生きていました。周囲の人に相談をし色んな意見や話を聞いて視野を広げるのもいいですね。


自分一人で解決しようとせずに、周囲の人にも是非頼ってみて下さい。


君は1人じゃない。


一生懸命努力を積み重ねてきた姿を見て、応援してくれている人は沢山いますよ。


ゆっくりで大丈夫。


自分らしくこの状況と向き合い、そして前を向いて、皆で乗り越えていきましょう!