社会科で育てる人 | 与太郎の一歩

与太郎の一歩

ちーばくんの(千葉県)口元辺りに住んでいます。
『学び合い』のことや、その他教育関係の学び、私生活などについて書きます。
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教育の目的は
「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」である。



中学校社会科の目標は
「広い視野に立って、社会に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、
我が国の全土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会で生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質を養う」である。

これを言葉にする時、「社会科は何を学ぶ教科?」と質問することが多い。(と思う。)
以前、私は「生きていく力を身につけるため」とか思ってたけど、抽象的だなと今は思っている。
これは広島系だ筑波系だと色々あるけれども。

今の私は「日本国憲法の改正の是非が判断ができる力を身につけるため」と考えている。
私は日本国憲法を擁護すべき職についているし、擁護しようと思っている。

だから歴史も教えるし、地理も教えるし、公民も教える。
(歴史も変わるし、現代の諸問題も移り変わっていくけれども)

でも別に、大人になって歴史、地理、公民が分からないと社会に出て困るかと言われれば、
答えは「そんなに困らない」だと思う。

そりゃ分かってた方がいいに決まっている。
歴史がしっかり分かっていれば、世界情勢の経緯なんてのも分かるだろうし、
地理が分かっていれば、世界の紛争問題の原因だって分かるだろうし、
公民が分かっていれば、現代社会の課題やニュースが分かるだろうけど、
別に分からなくても社会で生きていける。
というか、既に歴史を知らない大人が多いから池上さんの番組が流行るんじゃないか。
(会社で突然上司に歴史のことを聞かれて「君はそんなことも知らないのかね!?」とか言われることはあるかもしれないけど、それで首ってことは無いだろう。その人の信用として若干心配になるかもしれないけど)

じゃあ私の考える社会科の目標である「日本国憲法を改正の判断ができる力を身につける」ためにはどうするか。

もし「改正が起こりそうだ」となるときには、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌だけでなく、人づてなどによって情報が嫌でも自分の耳に入ると思う。
だからあとは

・自分が投票する人であると気付くこと
・人の意見を聞けること(教えて・教えてあげるって言える力)
・正しい情報源からを自分の欲しい情報を選択できること
・自分の意見を持てるようになること
基本はこれだけだと思う。
あと大事なのは
・選挙に行くこと
である。

だから授業では『学び合い』をやるし、疑問を持たせるし、おもしろそうな教材は触らせるし、体験させるし、新聞・インターネットなど使ったりして情報の選択をさせるし、全員が集団の一員であることを意識させるし、全員が幸せになることを求める。

だから国民投票では「自分と仲間が幸せになる方を選ぶ」、そんな人を社会科で育てたい。
そのために私は社会科を教える。社会科だし、人と繋がれる社会性を身につけさせたい。
きっとそれがより良い方向に日本を変えると思う。