主婦年金、過受給が5万3千人 | 職場が元気になるための人事・労務を考える千葉の社労士・CFPのブログ

主婦年金、過受給が5万3千人



 いわゆる「第3号被保険者の年金切り替え漏れ」問題。


 夫がサラリーマンを退職したり、失業した時に、年金の種類を切り替えていない専業主婦(第3号被保険者→第1号被保険者)が約100万人いるとみられ、救済策が議論になっています。


 本来より年金を多く受け取っている高齢者が5万3000人いるとの推計を厚生労働省は11日、明らかにしました。


 誰もが不安な高齢社会の「年金」制度が複雑で、誰でもわかるような設計になっておらず、手続きが必要なのか、自動的に切り替わるのか…放っておいても何も通知が来なければそれでいいと思うでしょうし、やはり制度に馴染みがない、関心がないことがもたらした弊害ではないでしょうか。


 真面目に手続きしている人、保険料を払っている人にとっては不公平感を感じるでしょうし、一方、過払いだから今さら返還してくれというのも無責任すぎます。


 年金制度については、様々な不信感をもたれていますし、これまでも何度か救済策などもありましたが、やはり制度にわかりやすさがなければこうした問題はなかなか解決していかないのでしょう。


 自分の年金がどうなっているかについて関心を持つことは大切なことだと思います。


 個人や事業所のミスは「決まりだから訂正は絶対に不可能です」といいながら、国や役所に不手際や間違えがあり、多くの方に被害が及んだ時には「間違えました…救済します」で済まそうとするというのは、ちょっと納得し難い印象もあります。


 「絶対安全」と言われた原発を「想定外の事故」と言うのと一緒で、結果はともかく、問題が起こった後で「ごめんなさい」で済まそうとする国や役所の姿勢には、「じゃあどう解決すればいいんだ」と言われれば困りますが、不誠実な印象もありあす。


【記事】


 <年金切り替え漏れ>過受給5万3000人


 専業主婦ら第3号被保険者(3号)の年金切り替え漏れ問題で、厚生労働省は11日、本来より年金を多く受け取っている高齢者が5万3000人いるとの推計を明らかにした。平均の過払い額は年約1万1150円。また現役世代は、年金の減る可能性のある人が42万2000人に上る。政府は切り替え漏れのある現役の人が保険料を追納しなければ、将来の国民年金(満額で年約78万9000円)を減らす意向で、この場合、年間に平均約3万9000円、最も多い人で約37万円減額される見通しだ。


 同省によると、切り替え漏れのある人は97万4000人(受給者14万3000人、現役83万1000人)。さらに1400人を抽出して推計したところ、切り替え漏れが1カ月以上あるなど年金額に影響するのは47万5000人(受給者5万3000人、現役42万2000人)だった。


 国民年金は40年間(480カ月)完納で満額受給できるが、1カ月の未納で年間約1640円減額される。受給者の切り替え漏れ期間は平均6.8カ月、最長で128カ月。 平均では年1万1150円、最長の人は年約21万円本来より多い年金を受け取っている計算だ。政府は過払い分の返還も検討しているが、難しいとみられている。現役の切り替え漏れ期間は平均23.5カ月、最長224カ月だった。


 制度開始(86年)以降、正しく3号から1号に切り替えていた人は1913万人いる。


   (4月11日 毎日新聞)