まっとうな政治。

 1 生活の現場から暮らしを立て直す

 アベノミクスの成果は上がらず、国民の所得を削り、中間層を激減させたままでは、本当の意味で活力ある経済は再生しない。保育・教育、医療・介護の各分野の賃金を底上げする。女性に対する雇用・賃金差別をなくす。社会全体ですべての子どもの育ちを支援する。将来的な国民負担の議論は必要だが、直ちに消費税率10%へ引き上げることはできない。実質賃金の上昇で中間層を再生する。

 第1次産業を支え、食と地域の安心を守る。

 (1)長時間労働の規制、最低賃金の引き上げ、同一価値労働同一賃金の実現

 (2)保育士・幼稚園教諭、介護職員などの待遇改善・給与引き上げ、診療報酬・介護報酬の引き上げ、医療・介護の自己負担の軽減

 (3)正社員の雇用を増やす企業への支援、赤字中小企業・小規模零細事業者に対する社会保険料負担の減免

 (4)児童手当・高校授業料無償化の所得制限廃止、大学授業料の減免、奨学金の拡充

 (5)所得税・相続税、金融課税など再分配機能の強化

 2 一日も早く原発ゼロへ

 原発ゼロを単なるスローガンとして語る次元は過ぎた。再稼働は現状では認められない。原発の稼働がなくとも日本経済は成り立つ。再生可能エネルギーや省エネなどの技術開発で、原発ゼロはリアリズムだ。

 東京電力福島第1原発事故の被害者に責任ある対応を取る。

 (1)原発立地自治体への対策、使用済み核燃料の処理などに関する具体的なロードマップを示す「原発ゼロ基本法」を策定

 (2)成長戦略としての再生可能エネルギー・省エネ技術への投資拡大と分散型エネルギー社会の実現

 (3)パリ協定に基づく地球温暖化対策の推進

 3 ともに支え合う社会を実現する

 画一的で大量生産型の社会モデルから、個性や独創性を生かした社会モデルに移行しなければならない。あらゆる差別に反対し、社会の分断を許さない。

 (1)LGBT差別解消、性暴力被害者を守る支援センターの設立、選択的夫婦別姓の実現、国政選挙へのクオータ制の導入

 (2)障がい者差別解消法の運用強化、手話言語法制定の推進

 (3)自殺に追い込まれない社会の実現

 (4)貧困の連鎖を断つための教育生活支援、虐待をなくすため児童相談所や児童養護施設、民間団体との協働を強化

 (5)ギャンブル依存症対策に莫大(ばくだい)な社会コストが生じ、マネーロンダリングの温床になり、治安を悪化させるカジノ解禁に反対

 4 徹底して行政の情報を公開する

 2012年に安倍政権が誕生してから、政治は一部の権力者に私物化され、大切な情報が隠蔽(いんぺい)されてきた。適切なルールに基づいて情報を公開し、オープンでクリーンな政治を実現する。

 (1)政府の情報隠蔽阻止、特定秘密保護法の廃止、情報公開法改正による行政の透明化

 (2)議員定数削減、企業団体献金の禁止と個人献金の促進

 (3)中間支援組織やNPO団体などを支援する「新しい公共」の推進

 (4)公務員の労働基本権の回復、天下り規制法案の成立

 (5)取り調べの可視化をはじめ信頼される司法制度の確立

 5 立憲主義を回復させる

 国際協調に基づく日本の安全保障に関する基本姿勢を守る。専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する安保法制を前提とした憲法9条改悪と徹底的に闘う。領域警備法の制定と憲法の枠内での周辺事態法の強化を目指す。基本的人権の尊重、立憲主義、民主主義といった原則は決して揺るがさない。解散権の制約や知る権利など、この原則を深化するための憲法論議を進める。

 (1)憲法9条の改悪に反対

 (2)主権を守り、専守防衛を軸とする現実的な安保政策を推進

 (3)米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古移設について再検証し、県民の理解を得られる道をゼロベースで見直す

 (4)北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射は断じて容認できない。北朝鮮を対話のテーブルにつかせるため、国際社会と連携し圧力を強める。平和的解決に向け、外交力で核・ミサイル放棄を訴える。最後の1人まで拉致問題の解決に取り組む

 (5)共謀罪(テロ等準備罪)の廃止、水際対策など真に実効性のあるテロ対策の実施

 <地域を立て直す>

 地域の基幹産業である農林漁業を守り、地域の多様な暮らしを支える。

・農業者戸別所得補償制度の法制化、恒久化▽資源管理による漁業の活性化▽森林の適切な管理と保全▽森林・林業再生プランに基づく林業の発展

・地域の自治体と住民の自主的な取り組みを支援する一括交付金の復活

・地域の公共交通を活性化し、社会参加の機会が保障される地域の実現

 <災害からの復興>

 11年3月11日に発生した東日本大震災は、私たちにとっての原点。復興を支え、被災したコミュニティーの未来への歩みを応援する。過去の災害から学び、減災の取り組みを進める。

・東日本大震災からの復興、被災地再生に向けた取り組みの一層の強化▽地域の声に応える支援の実施

・東京電力福島第1原発事故により分断されたコミュニティーの再生支援

・自主避難者を含む避難者に対する生活支援

・全国的な災害対策の拡充

 <立憲主義とは>

 立憲主義とは、政治権力が独裁化され、一部の人たちが恣意(しい)的に支配することを憲法や法律などで抑制しようとする立場。立憲民主党は、日本に立憲主義を回復させ、互いの違いを認め合い、ともに支え合う社会を実現する。