国外財産申告漏れで加算税 | 東京 後楽園で開業する女性税理士 高橋千亜紀 身近な話題から税金についてわかりやすく説明します。

日曜日の日経新聞に



国外財産申告書を提出しなかったために

5%高い加算税を適用された



という記事が掲載されていました。


この罰則適用の初事案だそうです。



国外財産の申告って何?

と思われる方も多いでしょうね。




現行の法律では
 年度末において、5千万円超の国外財産を有している
 「非永住者以外の居住者」に課せられている報告義務です。

該当者は、「国外財産調書」と呼ぶ資産の明細を

自らの住所地のある税務署へ

翌年度の確定申告期限までに提出しなければなりません。




例えば
 不動産であれば
 どこに(住所)、評価額●●の土地を保有
 預金であれば
 どの国の、●●銀行の●●支店に、どういう種類の預金がいくら
 などを書いて出します。結構、手間がかかります。



現行の法律では、と書いたのは

今、国会審議中の

平成27年度税制改正が可決されると

この法律も変わります。

提出要件・罰則が厳しくなります。




もともと、この記事の方は
インサイダー取引で違法に得た所得を申告してなかった
がために、過少申告加算税を課せられ
国外財産調書を出してないことも見つかり
加算税が付加された・・・という特殊な事案ではあります。



とはいえ、これから増えてくるかもしません。


人が国際間を簡単に、自由に行き来するようになり
財産をグローバルに所有するようになり
所得税や相続税・贈与税の申告漏れが増加したため
課税庁が、課税情報の収集に力を入れるようになり
平成24年度税制改正にて創設されました。



2611日以後から適用されており

罰則は一年間の猶予を見て

この2711日以後から適用する

と定められていましたので、その第一号が

この事案だったようです。




マイナンバー導入も決定して準備が進んでおり
今後ますます、課税庁の情報管理は強まるでしょうね。



そんな中

国外財産の全部を教えなくても大丈夫だろう

と安易に考えている方もいるかもしれません。




税理士としては
お客様からいただいた情報をもとに書類を作るので
この法律が創設された経緯を丁寧に伝え理解してもらうことが
大事ですね。



この記事を読みながら、そんなことを考えていました。