今日は母の誕生日だった。

90歳だなんて母自身も、私たち姉妹も信じられない。

 

84歳位まで、赤いベンツを乗り回していたのに。

1年経つのはあっという間だ。

だから5年経つのも10年経つのもあっという間。

なのに人はいつまでも同じ状態ではいられない。

年を取るということは、こういうことだと母は身をもって教えてくれている。

 

3人でご飯を食べに行って、ケーキを買って帰り、お祝いした。

母は足が弱くなっていて、屋内では歩行器を使っているが、

外は車いすを使うようになった。

 

車いすを押すようになって気が付いたこと。

歩道と車道のほんの少しの段差でも厄介で、なかなか上がれなかったり、

フラットの道では軽く押せるのに

気付かないほどのゆる~い登りの坂道では途端に重くなる。

 

母は、歯が全部自分の歯でそろっていて、

歯医者さんには表彰ものだと言われる。

だから固いものでも何でも食べられる。

 

大好きなのが、あのカチカチのあずきバー。

私は10秒レンチンしなければ無理なのに。

 

その時々を、一緒に楽しく笑ったり驚いたり悲しんだりできることが幸せだ。

たとえそのことがどんどん母の記憶からこぼれ落ちていくとしても

その一瞬一瞬が大切なんだと思う。

母の温かい体温を感じ、生きていてくれているということが幸せだ。

 

よく母に言う。

「ママはいいよねぇ、近くに私たちがいて。

私は誰も世話してくれる人いないし・・」

 

最近、介護付きマンションとかの広告を何だか捨てられない。