いろいろな国の音楽状況その2 | ヴァイオリニスト 山崎千晶 

ヴァイオリニスト 山崎千晶 

ヴァイオリニスト、作曲家  千晶のブログ。
演奏法や、コンサートにまつわるエピソードなど、
いろいろな演奏家との出会い、演奏者の面からの感想、
今までのコンサートの思い出など、
音楽シーン盛りだくさんの内容でお届けします。

演奏芸術がではどんな風に
浸透しているか。
これは各国によって
教育システムが違うし
伝統や、習慣とも
関連しています。
 
中国は、いまクラシック音楽を
やらせることがとても盛んで、
オーケストラなどもどんどん
設立されているそうです。
中国によく行っている
指揮者の方から聞きました。
何でも、リハーサルの最初の
日までに、音楽的には
ともかく、音を読むという
意味ではオケメンバーが
カンペキに仕上げてくるそう。
しかーし!
それはつまり一党体制の国、
本番で仮に音間違いでも
しようものなら、
「銃殺」(゚Ω゚;)
いや、そこまではなくても、
「吊し上げ」(゚Ω゚;)
いや、そこまではなくても、
誰かがディレクターに
報告して、
「あの、何あったの?
まちがえたけど」
などと聞かれるのだとか。(゜Д゜;≡;゜д゜)
という訳でみな必死にさらってる、
らしい。
(この話は、聞いたことを私が
勝手に解釈してしまったかもしれ
ませんが、厳しい規律があるという
内容でした)
チェコのゆるいオケとは大違いだ。
 
チェコより東の、元共産国は
どこもとにかく演奏家、
音楽家の絶対数が多い。
国民のうち、半分の人は
何かしら楽器が出来るのでは
というぐらいみな親しんでいるよう。
これは、共産国の教育システム
として、芸事が手軽に
公立学校で幼少から習える
ためでもあります。
 
ハンガリーは、コダーイが
音楽による幼児教育を
ハンガリー国内に浸透させた
ため、音楽は盛んで
音楽家はとても
多いそう。
しかし、素晴らしかった
演奏家も亡くなって、
今は昔、という
ところがあるようです。
 
ロシア、ウクライナ、ルーマニア、
元ユーゴも同様に
ソビエト連邦が公立の
音楽小学校を立てていたので
演奏家は多い。
 
ルーマニアというと、
ジプシーがものすごく
多いので、演奏家でも
そのようなジプシー系が
得意、つまり
ウィルティオーゾな曲を
好む人が多い気がします。
音は細めだがとにかくよく弾ける、
ていうイメージ。
 
スロベニアや、ユーゴスラヴィア
はいろいろで、キツい演奏を
する感じではないけれど、
いずれも高い、しっかりした
技術を修得しているし、
音楽的でもあります。
国自体も、ルーマニアや
ロシアに比べて、豊かなんだな、
というのは接していて
理解しました。
 
チェコとなると、
とにかくもーう
「実力の80%で充分」
という国です。
適度に出来れば満足。
そうガツガツ上は目指しません。
ただ、よく弾けるし
いいものは持ってる。
以上。
 
フランスは、一連の
エチュードをみると
すべてフランス人が
書いたものなのに
現在は東欧圏に比べると
あまり技術的にも
パッとしない。
(バイオリンは、です。)
それに、外来アーティストを
呼んでコンサートする
ことがないと思います。
チェコからいろんな
国に行きましたが、
フランスでコンサートを
やったという人、
ほとんど聞いたことがありません。
 
イギリスは大変。
音楽家は日本より
チェコよりさらに
貧乏ヒマなし、のよう。
ロックコンサートの
方がクラシックコンサート
よりチケット代が高い、て。
それじゃぁ大変だわ。。
 
ドイツやオーストリアは
最後のとりで。
この国が文化として
アピール出来るのが
オーケストラや
クラシック音楽なので
力を入れていますが、
ドイツ人のバイオリニスト
に会ったことがありません。
主に東欧からの移民の方が
多いと思います。
いわゆるドイツ人の
音楽家は、どこに
いるんでしょうか?
 
まだまだ続けられます。
南米になると
エル・システマという
教育が紹介されたように
クラシック音楽は
盛んですが、
自国の国の演奏より、
どこでも良いから
北半球の演奏家の
演奏を良し、とする
傾向にあるらしい。
外人に来てほしい、
というところですね。
それに、コンサートに
お金払って行くという
感覚がない人が
ほとんどだそう。(゚_゚i)
 
米国は、う~ん。
いろいろいますね。
クラシックはあまり
一般に浸透はして
いないようです。
日本や、ヨーロッパで
「誰もが知るメロディ」
例えば「ドヴォルザークの
新世界」など、
私が接したバンジョー
弾いてたアメリカ人は
知らなかったし。
シアトルの英語の先生は、
「コンサートチケットが
高くてとても手が出ない」
と言っていたし。
チェコは気軽にクラシック
コンサートに行けますし、
日本もそれなりに
盛んですが、米国は
ある一部のお金持ちで
クラシック音楽が
回っているような印象です。
 
つらつらと書いてみましたが、
留学しようか、検討している
人に参考になればと思います。
でも、チェコに私が
最初に行ったのも偶然で、
実は最初は別に行きたくて
行ったわけではなかったのです。
 
「本当に必要なものは
むこうからやってくる」
ということわざを昔
どこかの記事で読んで、
いつもそれが念頭に
ありました。
どういう仕事に就くか、
ということもそうだと
思います。
人それぞれ性格も
違うのでとても優秀な
音楽家、と一概に言っても
団体行動が出来なかったら
オケは耐えられないし、
ひとりでずっといるのが
苦にならず、自分が中心
でやるのが良いとなれば
ソロが向いている。
 
流れに任せて、いろいろ
やっているうちに自分に
合ったところがおのずと
見つかると思いますよ。v(^-^)v
 
 
写真:チェコのケーキ。ふきのとうの
ような、セロリ。ものすごくビタミンがあると
聞いていたけど、自分では使いきれなかったです。