アーティスト(2011)
The Artist
評価:★★★★★★(←1個エクストラw)
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
ゴールデングローブ賞作品賞を受賞し、
こちらもまた今年度アカデミー賞、作品賞含む主要部門4部門、
合計10部門にノミネートされている作品。
現代では珍しいモノクロサイレント映画の形式をとっていて
注目されています。
予告(英語)
*あらすじ
それはまだサイレント映画の時代。
サイレントフィルムの大スターであるジョージ・ヴァレンタインは
ひょんな事をきっかけに、彼のファンであるとある若い女性と出会う。
ハイテンションになった女性は大勢のパパラッチの前で
憧れのスターであるジョージの頬にキスをする。
するとその翌日、「この女性は誰?」という大きな見出しで
写真が新聞に載り、ジョージの妻はご機嫌斜め。
特に女性の事を気にしていなかったジョージは妻の機嫌を取ろうと努める。
しかしジョージが再び新作映画の撮影現場に行くと
そこには例の見出しの女性が。
彼女の名前はペピー・ミラー。
女優を目指し、エキストラとして彼と同じ撮影現場に来ていたのであった。
撮影現場で徐々に間を縮める2人。
そしてジョージの楽屋で、ペピーはジョージから
「女優になりたいのなら、特徴が必要だ」と言われ
ペンを使って口元に小さなほくろを与えられたのだった。
1929年、トーキー映画が誕生し、
今まで話す事の無かった映画の中の俳優たちが話すようになった。
しかしそのデモンストレーションを見るや、
ジョージは笑い出し、「これは映画の未来だ」と主張する
スタジオのオーナーの言葉でさえもあざけ笑うのであった。
結局、トーキー映画制作をしたいオーナーと
サイレント映画を続けていきたいジョージの意見は衝突し、
ジョージはスタジオを離れ、自主制作でサイレント映画を作ることに。
彼の新作がやっとできた頃、ペピーはトーキー映画の主人公に抜擢され
その彼女主演の映画がジョージの新作と同じ日に控えていた。
そして公開日当日、ジョージの期待とは裏腹に
彼の新作映画上映会には多くの空席が…。
落ち込みながら劇場の外に出ると、
隣の劇場には長蛇の列ができていた。
そしてそこの看板に目をやると、
そこには「ペピー・ミラー」の文字と
彼女の似顔絵が見えたのであった…。
*感想
まず最初に、タイトルの下に書いてある★評価、
本当は5段階評価で表しており、
以前にレビューを書いた作品2つとも満点になっているのですが、
(批判しない人に見えるかも知れないですが
気に入らなかった作品にはちゃんと批判も勿論します。笑
たまたま最近は良い映画に当たっているのですw)
今回のこの作品は前に書いた2作品よりも
さらに良かったということで、エクストラで★を一つ追加しました
それだけとてもとても、素晴らしい映画だったのです。
映画終わった瞬間拍手したくらい。
(↑割と英国では普通だったりします)
この映画は、モノクロサイレントフィルムとして
話題に上がっているわけですが
(日本ではどれくらい話題かわかりませんが)
『何故現代でモノクロサイレント?昔を蘇らせるため?
それともむしろ現代だからこその新鮮さを与えるため?』
そんな疑問が少しは過るのではないかと思います。
少なくとも私にはそういった疑問がありましたw
だから余計に興味津々で。
そういった疑問と、
そして個人的に特に、「サイレントフィルム」
であるということが
映像ヴィジュアルを学ぶ上で参考にもなるかな
という「期待」も持って映画館へ足を運びました。
サイレントフィルムといっても、
音楽が使われているという事は知っていました。
ですが、それ以上でした。
ここからは
自分でも上手くまとめられるかわかりませんが、
頑張って書きます。
まず、自分で持っていった疑問、
『何故現代でモノクロサイレントフィルムなのか』
というものに対して答えるのであるならば
『昔を蘇らせるため』→NO
『現代だからこその新鮮さを出すため』→NO
両方違いました。
というか今見るとすごく短絡的思考。笑
モノクロサイレントフィルムですが、
ただ単に昔を模したモノクロサイレントフィルムではありませんでした。
むしろ、現代だからこそ生まれた
『新しい』タイプのモノクロサイレントフィルム。
—『アーティスト』の音 —
今年、大学で「サウンド」に関する授業も取っている私としては
とてもとても興味深かったです。
サイレントフィルムとして名をうたれていますが
この映画にとって、「音」はとても大事です。
そのことに関しては映画の中身に多少触れてしまうので
これ以上はここで語りませんが、映画を見てもらえば
その「音」の大切さがわかってもらえると思います。
音楽の事に関してだけ言うのであれば
音楽の力の偉大さを、この映画を通して改めて実感しました。
台詞が無くたって、音楽で登場人物たちの心情が伝わってくるし
私たちにそのストーリーを「体験」させてくれます。
ジョージが堕ちていく下りなんかは
音楽が映像のなかのトーンをものすごく引き立てていて
字幕台詞だって無いシーンなのに、
悲しさがこみ上げて泣かされてしまいました。
— 『アーティスト』の映像 —
音は大事であったけれど、それでいて
私の持っていった「期待」にも十分答えてくれるくらい
映像も素晴らしいものでした。
まず、俳優さんたちの演技。すごく良い。
特にジョージを演じたジャン・デュジャルダンは
あの役にピッタリ当てはまっていました。
白黒映像でもハッキリとする顔立ちに
コミカルでおちゃめな感じがどうにも憎めない。
とても可愛らしいおじさまな感じがした…
それでいて演技が上手いので、ジョージが大スター人生から
堕ちていく姿は映画の序盤のコミカルな感じとはかなりのギャップがあり、
そのギャップが一層見ている方の悲しさも増幅させる。
ペピーを演じていたベレニス・ベジョも役にとてもはまっていたと思う。
序盤には中々好きになれなかったこのキャラクター、
物語が進むごとにだんだんと好きになっていってしまいます。
あと執事さん良い人すぎる
良い人すぎて、この人のせいでも泣かされました
笑
そして忘れちゃいけないのがジョージの愛犬であるワンちゃん「アギー」!
この映画の中にたくさんの和みと笑いを提供してくれます…♪
『最優秀俳優犬賞』をとったことに、何の疑問もありません。
とっても演技御上手
俳優さんたちの素敵な演技以外にも
ショット一つ一つの構図やシーンの構成、すごく良かった。
特に印象に残ったのは
ジョージがスタジオから離れるとオーナーに宣言した直後に
ペピーと階段で会い、話をするシーン。
スタジオと契約を結んだばかりのペピーは
ジョージがスタジオを辞めたとは知らずに
「また一緒に映画を作れるかも!」と嬉しそうに話す。
そしてその後2人が話し終わって別れるとき、
ペピーは階段を上へ、ジョージは下へと去って行く。
双方それぞれの未来への暗示。強く印象に残ります。
+++++
映画が終わったあと、隣に座っていた一緒に行った友人を見ると
友人の目も濡れていました。よかった。泣いたの私だけじゃなかった。
と思いながら周りもみると、ほかにも目が濡れている人や
メイクが崩れている人がたくさんいました。
本当にみんな、「感動」させられたんだなぁ。
感想を読むとものすごく悲しい映画な印象を
持たれてしまうかも知れませんが(笑)
実際はいろいろな感情を体験しつつ、とても楽しめる映画です。
これは本当に!
だからいろいろな人に見てもらいたい。
先にも言った通り、
これは現代だからこそ生まれた新しいタイプの
モノクロサイレント映画。
別に3Dでも無いし、特に新しいテクノロジーを
使っているわけではないけども。
この映画が教えてくれるのは
ただ単にこの映画のストーリーだけではなく、
映画の歴史と、そして「映画そのもの」が何であるかを
教えてくれる、というより、思い出させてくれる
そんな映画だと思います。
だから、映画という物の存在価値の行方が
雲に隠されて中々見えない今この時代だからこそ
作られるべくして作られたのかも知れません。
そしてモノクロだけれども、下手なカラー作品よりも
すごくカラフルな印象。
目に映る・見えるという意味のカラフルでは無く、
この映画の醸し出す雰囲気とか、そう言ったものが
すごく彩られてる。
個人的意見では、久々に『歴史的に語り継がれる映画』
になるのではないかと思っています。
それくらいこの映画は偉大だと思う。
アカデミー賞発表までとうとうあと1日。
ノミネート作品を全てみたわけでは無いですが
この映画がとってくれるんじゃないかな、と個人的に思っています。
というか、取ってほしい!
それにしても今年は映画豊作の予感。
2012年、まだまだ期待してます!
The Artist
評価:★★★★★★(←1個エクストラw)
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
ゴールデングローブ賞作品賞を受賞し、
こちらもまた今年度アカデミー賞、作品賞含む主要部門4部門、
合計10部門にノミネートされている作品。
現代では珍しいモノクロサイレント映画の形式をとっていて
注目されています。
予告(英語)
*あらすじ
それはまだサイレント映画の時代。
サイレントフィルムの大スターであるジョージ・ヴァレンタインは
ひょんな事をきっかけに、彼のファンであるとある若い女性と出会う。
ハイテンションになった女性は大勢のパパラッチの前で
憧れのスターであるジョージの頬にキスをする。
するとその翌日、「この女性は誰?」という大きな見出しで
写真が新聞に載り、ジョージの妻はご機嫌斜め。
特に女性の事を気にしていなかったジョージは妻の機嫌を取ろうと努める。
しかしジョージが再び新作映画の撮影現場に行くと
そこには例の見出しの女性が。
彼女の名前はペピー・ミラー。
女優を目指し、エキストラとして彼と同じ撮影現場に来ていたのであった。
撮影現場で徐々に間を縮める2人。
そしてジョージの楽屋で、ペピーはジョージから
「女優になりたいのなら、特徴が必要だ」と言われ
ペンを使って口元に小さなほくろを与えられたのだった。
1929年、トーキー映画が誕生し、
今まで話す事の無かった映画の中の俳優たちが話すようになった。
しかしそのデモンストレーションを見るや、
ジョージは笑い出し、「これは映画の未来だ」と主張する
スタジオのオーナーの言葉でさえもあざけ笑うのであった。
結局、トーキー映画制作をしたいオーナーと
サイレント映画を続けていきたいジョージの意見は衝突し、
ジョージはスタジオを離れ、自主制作でサイレント映画を作ることに。
彼の新作がやっとできた頃、ペピーはトーキー映画の主人公に抜擢され
その彼女主演の映画がジョージの新作と同じ日に控えていた。
そして公開日当日、ジョージの期待とは裏腹に
彼の新作映画上映会には多くの空席が…。
落ち込みながら劇場の外に出ると、
隣の劇場には長蛇の列ができていた。
そしてそこの看板に目をやると、
そこには「ペピー・ミラー」の文字と
彼女の似顔絵が見えたのであった…。
*感想
まず最初に、タイトルの下に書いてある★評価、
本当は5段階評価で表しており、
以前にレビューを書いた作品2つとも満点になっているのですが、
(批判しない人に見えるかも知れないですが
気に入らなかった作品にはちゃんと批判も勿論します。笑
たまたま最近は良い映画に当たっているのですw)
今回のこの作品は前に書いた2作品よりも
さらに良かったということで、エクストラで★を一つ追加しました

それだけとてもとても、素晴らしい映画だったのです。
映画終わった瞬間拍手したくらい。
(↑割と英国では普通だったりします)
この映画は、モノクロサイレントフィルムとして
話題に上がっているわけですが
(日本ではどれくらい話題かわかりませんが)
『何故現代でモノクロサイレント?昔を蘇らせるため?
それともむしろ現代だからこその新鮮さを与えるため?』
そんな疑問が少しは過るのではないかと思います。
少なくとも私にはそういった疑問がありましたw
だから余計に興味津々で。
そういった疑問と、
そして個人的に特に、「サイレントフィルム」
であるということが
映像ヴィジュアルを学ぶ上で参考にもなるかな
という「期待」も持って映画館へ足を運びました。
サイレントフィルムといっても、
音楽が使われているという事は知っていました。
ですが、それ以上でした。
ここからは
自分でも上手くまとめられるかわかりませんが、
頑張って書きます。
まず、自分で持っていった疑問、
『何故現代でモノクロサイレントフィルムなのか』
というものに対して答えるのであるならば
『昔を蘇らせるため』→NO
『現代だからこその新鮮さを出すため』→NO
両方違いました。
というか今見るとすごく短絡的思考。笑
モノクロサイレントフィルムですが、
ただ単に昔を模したモノクロサイレントフィルムではありませんでした。
むしろ、現代だからこそ生まれた
『新しい』タイプのモノクロサイレントフィルム。
—『アーティスト』の音 —
今年、大学で「サウンド」に関する授業も取っている私としては
とてもとても興味深かったです。
サイレントフィルムとして名をうたれていますが
この映画にとって、「音」はとても大事です。
そのことに関しては映画の中身に多少触れてしまうので
これ以上はここで語りませんが、映画を見てもらえば
その「音」の大切さがわかってもらえると思います。
音楽の事に関してだけ言うのであれば
音楽の力の偉大さを、この映画を通して改めて実感しました。
台詞が無くたって、音楽で登場人物たちの心情が伝わってくるし
私たちにそのストーリーを「体験」させてくれます。
ジョージが堕ちていく下りなんかは
音楽が映像のなかのトーンをものすごく引き立てていて
字幕台詞だって無いシーンなのに、
悲しさがこみ上げて泣かされてしまいました。
— 『アーティスト』の映像 —
音は大事であったけれど、それでいて
私の持っていった「期待」にも十分答えてくれるくらい
映像も素晴らしいものでした。
まず、俳優さんたちの演技。すごく良い。
特にジョージを演じたジャン・デュジャルダンは
あの役にピッタリ当てはまっていました。
白黒映像でもハッキリとする顔立ちに
コミカルでおちゃめな感じがどうにも憎めない。
とても可愛らしいおじさまな感じがした…

それでいて演技が上手いので、ジョージが大スター人生から
堕ちていく姿は映画の序盤のコミカルな感じとはかなりのギャップがあり、
そのギャップが一層見ている方の悲しさも増幅させる。
ペピーを演じていたベレニス・ベジョも役にとてもはまっていたと思う。
序盤には中々好きになれなかったこのキャラクター、
物語が進むごとにだんだんと好きになっていってしまいます。
あと執事さん良い人すぎる

良い人すぎて、この人のせいでも泣かされました
笑そして忘れちゃいけないのがジョージの愛犬であるワンちゃん「アギー」!
この映画の中にたくさんの和みと笑いを提供してくれます…♪
『最優秀俳優犬賞』をとったことに、何の疑問もありません。
とっても演技御上手

俳優さんたちの素敵な演技以外にも
ショット一つ一つの構図やシーンの構成、すごく良かった。
特に印象に残ったのは
ジョージがスタジオから離れるとオーナーに宣言した直後に
ペピーと階段で会い、話をするシーン。
スタジオと契約を結んだばかりのペピーは
ジョージがスタジオを辞めたとは知らずに
「また一緒に映画を作れるかも!」と嬉しそうに話す。
そしてその後2人が話し終わって別れるとき、
ペピーは階段を上へ、ジョージは下へと去って行く。
双方それぞれの未来への暗示。強く印象に残ります。
+++++
映画が終わったあと、隣に座っていた一緒に行った友人を見ると
友人の目も濡れていました。よかった。泣いたの私だけじゃなかった。
と思いながら周りもみると、ほかにも目が濡れている人や
メイクが崩れている人がたくさんいました。
本当にみんな、「感動」させられたんだなぁ。
感想を読むとものすごく悲しい映画な印象を
持たれてしまうかも知れませんが(笑)
実際はいろいろな感情を体験しつつ、とても楽しめる映画です。
これは本当に!
だからいろいろな人に見てもらいたい。
先にも言った通り、
これは現代だからこそ生まれた新しいタイプの
モノクロサイレント映画。
別に3Dでも無いし、特に新しいテクノロジーを
使っているわけではないけども。
この映画が教えてくれるのは
ただ単にこの映画のストーリーだけではなく、
映画の歴史と、そして「映画そのもの」が何であるかを
教えてくれる、というより、思い出させてくれる
そんな映画だと思います。
だから、映画という物の存在価値の行方が
雲に隠されて中々見えない今この時代だからこそ
作られるべくして作られたのかも知れません。
そしてモノクロだけれども、下手なカラー作品よりも
すごくカラフルな印象。
目に映る・見えるという意味のカラフルでは無く、
この映画の醸し出す雰囲気とか、そう言ったものが
すごく彩られてる。
個人的意見では、久々に『歴史的に語り継がれる映画』
になるのではないかと思っています。
それくらいこの映画は偉大だと思う。
アカデミー賞発表までとうとうあと1日。
ノミネート作品を全てみたわけでは無いですが
この映画がとってくれるんじゃないかな、と個人的に思っています。
というか、取ってほしい!
それにしても今年は映画豊作の予感。
2012年、まだまだ期待してます!