チェリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィル ブルックナー交響曲第8番ハ短調
1990年10月20日 サントリーホール(ライブ)

イメージ 1















まず音が綺麗(純度が高い)なのがうれしい。
しかもライブ録音にはつきものの観客の咳払いなどがない。
丁寧にカットしていったのだろうか?
セッション録音と言われても納得してしまうほど整っている。

チェリビダッケのブルックナーは格別だ。
同じ場所にずっととどまっているようでいて、少しずつ移ろうようで。少しずつ移ろでいて、ずっととどまっているようでいる。何も起こらなかったようでいて、すべてが起こったかのようで。すべてが起こったかのようでいて、何も起こらなかったかのようにすら感じる。
相反する物事が同居している。

この日にライブで聴いた人々は音楽観や芸術観、はたまた人生観すら変わってしまった人もいることだろう。
録音ですらチェリビダッケのブルックナーを知る以前とは世界が違って見えるのだから。