私の修業時代 第23話 新入社員歓迎ランチ会
あらすじ
1987年昭和62年に高校を卒業した私は、横浜の調理師学校へ入学し、スペイン料理店でアルバイトをしながら少しずつ新生活になれて来た頃には就職活動。不採用になったりいろいろ経験し無事に就職先も決定したのでした。
そして入社式の日を迎え、新社会人への第一歩を踏み出しました。
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入社式の日の昼食は総支配人と新入社員の親睦を深める新入社員歓迎ランチ会でした。
総支配人はパワーみなぎるボスって感じの方でした。いらっしゃったら空気がピンと張り詰めるような。
新入社員が一人つづ自己紹介をしながら歓迎会ランチは穏やかなムードで進行していました。総支配人はウンウンと静かに聞いておられました。
自己紹介が私の番になると、総支配人は、
『君が冨高君か!会いたかったぞ〜!
どうだうちのホテルは、、?
君はどこのセクションだ?…………ベーカーか!
永江君はどうた?…………そうか!
出身はどこだ …………… 大分か!
入社式に人事から起されるくらいだからな、大物になるぞ!!
新入社員の責任者な、アレは冨高君やれよ〜笑』
新入社員と親睦を深めるランチ会は、殆どが総支配人からの集中口撃の状況に(汗)
おまけに新入社員の責任者?リーダー?に決められてしまい、、
新入社員で何か問題や、やりたい事があれば意見をまとめ、総支配人に直接伺う責任者のようです。私よりも年上の方も多く他に適任者もいると思うんですが。。
歓迎ランチ会が終わり、ベーカーの厨房にやっと戻れ、さぁ本格的に始動です!
『入社式に出なかったのお前かよ?』今度はベーカーの浜田さんが私を睨みながら冷笑しています。キッチンからは他のコックさんも2、3人寄ってきました。。
『ハイ、すいません…。』私が無表情で答えると、
厨房が静まり返りました…
『しょうがねぇ奴だなぁ、まぁ…頑張れよ〜笑』浜田さんが急に笑い出し、コックさん達もみんな笑い出しました。
初日に遅刻した事は当然NGですが、
陰で噂されたりするより、ハッキリ言われた方が気が楽ですし、言いたい事を言ってくれる人なんだなぁ…と、ちょっと安心しました。
ベーカーでの初仕事は、、出勤時間やタイムカードの説明、厨房の掃除などですぐに終わってしまい初日が終了しました。
勤務終了後、
ロッカーで宮脇君や田盛ら新人の調理部が一緒になりました。
『宮ちゃん、アパート石川町でしょ?今晩冨高泊めてやってよ〜!また明日も遅刻したら、今年の新人の評判下げられるぜ〜笑』宮脇君に田盛が冗談を飛ばし、
『いいよ!冨ちゃん蓑沢でしょ?近くじゃん。』と長野県白馬出身の宮脇君は私と一緒で一人暮らし。
『じゃあ、一度帰って準備して来るわ〜』せっかく話が出来上がりつつあるので泊めてもらう事に。。