この春のやさしさ
ママの蘭
お か え り
あたらしくいただいた
じつは、きょねんの夏
たいせつな「家族」が、たてつづけに枯れた
12年間、やさしい花を咲かせつづけてくれた鉢
母の蘭
も枯れてしまった
母のさいごの誕生日に、お友達から直接
母がうけとって
それはそれは嬉しそうにたいせつにしていた鉢
おていれするのもこわく
植え替えもなにもしない
肥料もあげない
お水やりと声かけと防寒くらいしか
お世話はできなかったのに
十二回の春、母の誕生日ころになると
やさしい笑顔をたくさん咲かせてくれた
きっとめいっぱい、ギリギリがんばってくれたのでしょう
きょねんは、お花がなく、それでも
綺麗な新芽がでてうれしかった
おととしは、やさしい花を
母の誕生日ごろから、母の日まで
ずっと咲かせつづけてくれた
つまり、あの日ぜんごも、母の蘭は
ふたりのそばでそっと咲いてくれていた
この鉢の、さいごの二回の春に
てをあわせる
そんなタイミング
ことしの母の誕生日は、さびしいなぁと
そうおもいつつすごした春
母の蘭の鉢をくださった、お友達から
「ひさしぶりにデンドロの鉢をみつけたので、お母さまに」と
‥そのお友達には、枯れたこと、お伝えしてなかったのに‥
こころに、ぽっ、とあたたかなものが灯った
それから、ひと月
すこしづつ、おちるお花
おちびさんたちは、花あそび
みーんな
「ボクがいちばんにあうよっ」
と、にあいっこ、きょうそう ´͈ ᵕ `͈
でも、ね、、
みんなわかってる
いちばん、にあうのは
まかろん王子
だって、ね◟̆◞̆❤︎
ママの蘭は枯れて
ふしぎなタイミングで、また
かえってきました
つぎつぎ咲く花を、日々みてすごした四月
そうして、もひとつ枯れた「家族」
お庭の、ねえねの幼馴染の木の、孫木
（さし木のさし木の沈丁花）
ちいさなふわふわ、が、はじめての春
その足元で、いい匂いをくんくんしていた
‥そんな木
枯れてしまった
それでも、そのさし木が、ベランダで
ここ数年、すくすくそだっていたので
数年まえ、王子とさし木した木
この四月
さらに、さし木、をしてみました
このさし木が、ちゃんとそだってくれたら
ひ孫の子、ひひ孫木
どちらの「枯れた家族」にも
ありがとうと、手をあわせる
ずっと、そばにいてくれてありがとう
それだけじゃない
もし、きょねん‥あの日から「はじめての春」
この蘭と沈丁花まで枯れてしまってたら
どんなにつらかっただろうかとおもう
でも、きょねんの春は
蘭は新芽をだし
沈丁花は、あふれる花を咲かせてくれた
ありがとう
この春やってきた、「ママの蘭」と
さし木をしてる「ふたりの沈丁花」
ゆっくりそばにいてくれますように
もしもしもしも、だめでも
ことしの春、そばにいてくれて
ありがとう
そうして枯れた鉢も
枯れた庭の木も
ずうっと、このまま、そのまんま
てもとにとどめておきます
庭の枯れた沈丁花は
数年まえ、枯れた白梅のおとなりで
いまも、そのまんま
白梅も以来、枯れたすがたで数年
庭にいる
庭もほかも、枯れた姿ばかりになっても
それでいい
みえない花が咲き
みえない葉が芽吹く
それでいい
いま、庭にはほかに、おおきな沈丁花が数本
まかろん王子のシクラメンは
さいしょの一輪めがおちました
それといれかわりに
五輪めのつぼみ
おちた花、ふたつ、よりそって
まかろん王子のサボテンには
あれあれあれ？
消えた、とおもってた、ちっちゃいほうが
「生きてた」
ふたつのサボテンの、寄せ植え、だったので
いのち、ってふしぎ
きえたかとおもっても、生きてたりする
庭の山椒もようやく、葉っぱがそだってきた
まいねん、ベランダよりも、芽吹が数週間おそい
そんな四月も、もうおしまい、の日
え！？
たたされんぼ？！？
ちがうよー
ねえねが呼んでくれるのを待ってるの
え！！？！
ねえねは、あなたが、駆けてくるのを待ってるの
きょうもきのうもあすも
ねえねのために
美味しい笑顔を手作り(⑉• •⑉)‥♡
ハートのエプロンつけた、
まかろん、も
まかこ、も
ずっとずっと
ねえねのためのコックさん
笑顔をお料理するコックさん
きょうも、がんばります
こんげつも、らいげつも
五月も、夏も秋も冬も春も
らいねんも
ずっとずっとずっと
たのしみながら
to
wa
ni
きょうもよくねんねしてるわねぇ
バニラちゃんのお膝
きもちいいんだもん
はいはい
子守唄もうたってあげる
バニラちゃんとは、カサコソ落ち葉の旅をした仲
そうよね
まかちゃん、ヤキモチなんかやかないわっ
お部屋では、まかちゃんもしっかり睡眠
お肌と美容に気をくばるんですもん
王子のお世話は、ほかの子たちにおまかせっ
〜まか * ˘ ᵕ ˘*
まかろんちゃん
あすのお洋服はこれにする？
うんうんわかったよ
あすから五月
だいすきだった五月
いまはｾﾞﾂﾎﾞｳﾉ五月
いえ
愛すべき五月にいたしましょう
ふたりの暮らし
とりもどす、のだから
