きょうは、星花火の日
星花火のペンダントをつけて
すごす一日
そんな星花火のとなりには
ちいさな可愛い鉢
「しあわせみぃつけた」
きょねんいただいた、四つ葉のクローバーの鉢
ちいさなおっきな、ねえねの「しあわせさん」
星花火の日‥
きょうの夜遅く、日づけがかわるころ
「ボクのママ」がとおくとおく‥とおくへ‥旅だった日
あの年、たまたま、お花屋さんの店先でみつけた、
この紫陽花‥星花火
ママもねえねもお気に入り
そんな紫陽花のかたわらでのふつうの日々
なのに、とつぜん

ママがお空のむこうへとよばれていってしまいました
ねえねは、ママを煙にして送る日、ふとおもいついて
ママの旅立ちの枕辺を、この紫陽花でいっぱいにしました
花市場としては、もうシーズンぎりぎりさいご‥それを、お花屋さんはかきあつめて、かけつけてくださった
この星花火に埋もれた笑顔のママは、なんだか南国チックで
大好きだった南の島にいるようでした
それから、毎年この季節には、お花屋さんに、この星花火の鉢をお願いして
「ママの日」には、お友達たちにもお配りしてきた
ママの一周忌‥
トラックいっぱいの、この星花火
それから、毎年この季節には、お花屋さんに、この星花火の鉢をお願いして
「ママの日」には、お友達たちにもお配りしてきた
ママの一周忌‥
トラックいっぱいの、この星花火
みんな、水色にきらきら笑ってた
それでも
庭でもベランダでも、これまでの鉢たちが水色の笑顔をみせてくれている
あの日あの夜
ボクは、病院からの唐突な電話で、無我夢中のねえねに抱っこされ、タクシーにとびのった
ベッドには、その朝入院したばかりのママが
寝ていた
すぐかえってくるよ、そういったママが、言葉もなく寝ていた
そして、なんだかわけわからない、ビーーーーーって音が響きつづけてて
テレビみたいな画面には、緑の線がまっすぐ‥平らに‥流れつづけてた
どうか、ビーーーーーっが止まって!
緑の線は、山々になって!
‥ねえねが手をあわせていた
数時間後、ビーーーーーっ、は止まった
でも、山々はもどらなくて、真っ暗な画面になった
ボクには、なにがおきたのかわからなかった
ただ、ねえねのそばにいた
ながいながい、ながいじかん、夜があけるまで
暗い廊下の片隅の椅子で
トイレへいくこともお水をほしがることも、ボクはまったくわすれたまま
ただ、じっとねえねの腕のなかにいた
この「病院」ってところは、あとからかんがえると、ほんとは、「ボクはいられない場所」だったのに
なぜ、ボクがねえねのそばにいられたのか
ママを見送れたのか
わからない
ただ、あの西日の時間
ママが、ボクの名前だけを何十回も呼んで?叫びつづけて?
ねえねを不思議がらせた
まかろーーん!まーーーかろーーーん!!!
と、何回も何十回も
そんなあと、ねえねのさしだした、ゆびきりげんまんの小指を、そっと握ってくれた
「さっさと退院しようね、ふたりで選んだ浴衣をまかろんに着せてお祭りいこうね」
そんなゆびきりげんまんの、ねえねの小指
寝ていた
すぐかえってくるよ、そういったママが、言葉もなく寝ていた
そして、なんだかわけわからない、ビーーーーーって音が響きつづけてて
テレビみたいな画面には、緑の線がまっすぐ‥平らに‥流れつづけてた
どうか、ビーーーーーっが止まって!
緑の線は、山々になって!
‥ねえねが手をあわせていた
数時間後、ビーーーーーっ、は止まった
でも、山々はもどらなくて、真っ暗な画面になった
ボクには、なにがおきたのかわからなかった
ただ、ねえねのそばにいた
ながいながい、ながいじかん、夜があけるまで
暗い廊下の片隅の椅子で
トイレへいくこともお水をほしがることも、ボクはまったくわすれたまま
ただ、じっとねえねの腕のなかにいた
この「病院」ってところは、あとからかんがえると、ほんとは、「ボクはいられない場所」だったのに
なぜ、ボクがねえねのそばにいられたのか
ママを見送れたのか
わからない
ただ、あの西日の時間
ママが、ボクの名前だけを何十回も呼んで?叫びつづけて?
ねえねを不思議がらせた
まかろーーん!まーーーかろーーーん!!!
と、何回も何十回も
そんなあと、ねえねのさしだした、ゆびきりげんまんの小指を、そっと握ってくれた
「さっさと退院しようね、ふたりで選んだ浴衣をまかろんに着せてお祭りいこうね」
そんなゆびきりげんまんの、ねえねの小指
母は、冷たい凍るような、でも、やわらかなあたたかなやさしい手で、つつんでくれた
「ありがとう、あなたはやさしい子」
ぽつり、と、そんなひとこと
そうして
「またあすね」
「ありがとう、あなたはやさしい子」
ぽつり、と、そんなひとこと
そうして
「またあすね」
にっこり
それはそれはおっきな‥ほんとうにおっきな笑顔で
西日のきらきらした光のなか
手をふってくれた
それがけっきょく
さよなら
に、なった
さよなら、だなんて、わからなかった
でも、母にはわかっていたのだとおもう
ボクをねえねのもとへと「連れてきてくれた」ママ
ボクをねえねのそばに「のこしてくれた」ママ
ボクをねえねのそばに「のこしてくれた」ママ
撫で撫でしてくれた、やさしい手
まかろーーん♪って、呼んでくれた、やさしい声
まかろーーん♪って、呼んでくれた、やさしい声
ボクは、ずっとずうっと
おぼえてる
ママのお気に入りのドレスのボク
大昔、母が娘にと買ってくれた、
娘には、はじめての香水
薔薇の香りとともに
さ♡
いただきましょ
母のなにより大好きなもの
お寿司
‥お刺身は好きではなかったのにね^^
リクエストは、とくになにもしなかったのに
蓋をあけると、母の好きなものばかり
シーズンさいごのとり貝も、大きなものがそっとはいってた
母がいなくなってから、ご近所へ移転されてきたお寿司やさん
母ときたかったなあ
母のためのコニャックは
まだあけられない
あの朝、母といれちがいで、奇跡のように届いた廃番コニャック
いつか‥
かなしみが光にかわるとき‥
このコニャックをあけられるのでしょう

それでも、「ちいさなしあわせ」さんがそばにいるのだから
そんな日も、きっと、いつかくるのかもしれません
六月九日
その数時間後にさよならだなんて
おもいもしなかった
そんな、あの年あの日の夕暮れ
帰り道
西日が、きらきら、とてつもなく美しかった
一瞬さむけがするくらい、美しかった
‥またあすね‥
永遠の約束
永遠の約束
ちいさな水色星花火の王子さま




































