母の樹
このしたに立つと
桜花爛漫
まさしく、その言葉どおりの気持ちになる
母の愛した季節そのもの
そんなママの樹を
ボクは、まかろんの樹のしたから
みている
ボクの樹の枝越しに
ママの樹がきらきらしてる
空たかく
まるで、母の想いのように

まかろんの樹
はじめての坊やの春
この樹のしたで、さんにん、お花見をした
お祝いにあけたシャンパンの口を、おちびさんたら
まさかの、嬉しそうにペロペロして、まったく平気〜ママとねえねをびっくりさせた
そのあとは、シャンパンの匂いたっぷりのコルクを幸せそうにガジガジガジガジ
「だれに似たのかしら?この仔、ずいぶんと飲兵衛さんみたいね」
ママとねえねは、大笑い
そして、鳩さんばかりおいかけて
ねえねは、そんな坊やをおいかけてばかり
花見でなく、鳩見、のお花見になった
そんなボクの樹
なかなか、これで
すっくり、凛々しく気持ちよいんだよぉ
ママの樹の幹も
ボクの樹の幹も
ねえねの樹の幹も
どれも、ほんとうに
きもちよくすっくり
凛々しく、空にむかってる
ここからみあげる、西の丸庭園も好きだなあ
そう‥
この石段からみあげる景色
ねえねの樹の足元の、この石段
ここに、いつも、母娘はすわってた
いつも、なにか大切なふしめには
ここに、二人してすわっていた
はじめて娘が一人暮らしをするときも
帰ってきたときも
とおく海を渡って暮らすことをきめたときも
帰ってきたときも
ふたつめの命をもらって
還ってきたときも
いつも、ただ、だまって
この石段にすわって
ふたり、手をつないで
花をみあげていた
いまは、坊やとふたり
ただ、だまって、手をつないですわってる
↑あ、坊やは、人間語が話せないので
だまってて、トーゼン(笑)

ねえねの樹は、お城の入り口
母の樹は、お城の出口(←元)
ボクの樹は、そのまんなか
母の樹は、すこしお年寄りで
咲くのもはやく、散るのもはやい
「だから、ママなのよ」
でも‥ね‥
「散る」の、すこしだけ、はやすぎたよね
この樹のしたに立って
ボクは元気だよ
ねえねを護ってるよ
ママとの約束だからね
ことしの花がすこしづつ、歩み去ろうとしている
♡⃝⋆˻˳˯ₑ⋆♡⃝まかろん♡⃝⋆˻˳˯ₑ⋆♡⃝



























