10月11日(旧暦:八月二十七日)
受話器てふ不要の道具月下弦 佳音
筆を買った。
滋賀の生徒や学生たちの書写の時間は自由であると
某テレビ番組で見て、そんな字を書く筆が欲しくなった。
わりと滋賀に行く機会が多いので、出かけるたびに
文房具店を探したが、文房具店のおやじ殿曰く、
「うちらのところにはあらへんのですわ」
文房具もショッピングセンターで調達のこの頃らしい。
今回は大きなモールも歩いたので文具売り場で
念願の筆にめぐりあった。(と思っているけれど
本当にこれでいいのだろうか)
どんな紙に書こうか、何と書こうかとワクワクしている。
ところでわたしはお習字を習ったことはほとんど無い。
でも書くことは好きなので、わたしの筆字は
小さな人の『お絵描き』とおなじ。
汚れてもいいようにして、五歳君と一緒に
書いてみようかしら、
墨で真っ黒になって娘に叱られるだろうか。
饒舌の前の沈黙赤のまま 佳音
またあした。